Oasis 90年代から2000年代にかけて活躍したロックンロール・スター。
もしあなたがロック好きならば、オアシスは避けては通れないバンドです。好き嫌いを抜きにしても、レディオヘッドやブラーなどと同世代のイギリスのバンドで、他のどのバンドよりもロックンロールを、そして「歌」をやっていたのは間違いなくオアシスでしょう。乱暴で話題に事欠かない二人のフロントマン。リアム・ギャラガーは美しい性質と乱暴な歌い方、ロックスターを体現した振る舞いと繊細なバラードを手がけるソングライティング能力。ノエル・ギャラガーはメイン・ソングライターとして数々の美しいメロディと美しい言葉を生み出してきました。しっかりと高音域が伸びていく歌声で自身がボーカルを取ることも。音楽性をとっても、話題性をとっても、とても優れたロックンロール・スターでした。
そんなオアシスのオリジナル・アルバムの全曲を和訳しました。各アルバムに簡単なコメントを添えて、この記事で紹介したいと思います。
Definitely Maybe
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オアシスの伝説はここから始まりました。後の全てのアルバムと比べても、圧倒的に荒削りなサウンドですが、既にエッセンスは完成しています。オアシスの本質は「歌」であり、「メロディ」です。それが一番大事だとノエル・ギャラガーもインタビューで答えています。
- Rock ‘n’ Roll Star
- Shakermaker
- Live Forever
- Up in the Sky
- Columbia
- Supersonic
- Bring It on Down
- Cigarettes & Alcohol
- Digsy’s Dinner
- Slide Away
- Married with Children
(What’s the Story) Morning Glory?
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イギリスだけで450万枚以上売り上げた代表作です。Wonderwall や Don’t Look Back In Anger などの人気な楽曲が収録されています。分厚いディストーション・ギターが印象的だった前作に比べて、アコースティック・ギター中心でサウンドが組み立てられていて、ストリングスやメロトロンなど様々な楽器を導入しています。ノエル・ギャラガーのソング・ライティング能力が完全に開花したアルバムです。
- Hello
- Roll With It
- Wonderwall
- Don’t Look Back in Anger
- Hey Now!
- Some Might Say
- Cast No Shadow
- She’s Electric
- Morning Glory
- Champagne Supernova
Be Here Now
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ザ・ブリットポップって感じのアルバムです。シンプルでわかりやすいメロディとサウンドが特徴的です。そしてバラードの完成度がさらに高くなっています。My Big Mouth や I Hope, I Think, I Know などのキャッチーでノリがいい楽曲や、Stand By Me や Don’t Go Away などの洗練されたバラードが収録されています。Wonderwall と同じコード進行で作った D’You Know What I Mean? は、オアシスのエッセンスを理解するためには必聴です。
- D’You Know What I Mean?
- My Big Mouth
- Magic Pie
- Stand By Me
- I Hope, I Think, I Know
- The Girl in the Dirty Shirt
- Fade In-Out
- Don’t Go Away
- Be Here Now
- All Around the World
- It’s Getting Better (Man!!)
- All Around the World (Reprise)
Standing on the Shoulder of Giants
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「巨人の肩に立て」というタイトルです。ニュートンの書簡でも有名なこのフレーズ。先人たちの成果を利用して、新しい物を作るなどのケースで使われます。古いロックンロールに深いルーツを持つオアシスらしいアルバム名ですね。サイケデリック・ロックの影響を受けていたり、リアム・ギャラガーの楽曲が初めて収録されていたりするアルバムです。Fuckin’ In The Bushes はライブのSEとして使われるようになります。
- Fuckin’ In The Bushes
- Go Let It Out
- Who Feels Love?
- Put Yer Money Where Yer Mouth Is
- Little James
- Gas Panic!
- Where Did It All Go Wrong?
- Sunday Morning Call
- I Can See A Liar
- Roll It Over
- Let’s All Make Believe
Heathen Chemistry
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ノエル・ギャラガー以外のメンバーの楽曲が積極的に収録され始めたアルバムです。このアルバムは1曲目の The Hindu Times の力強さ、中盤のリアムが歌うStop Crying Your Heart Out、ノエルが歌う Little by Little のバラード2曲の印象がとても強いです。大ヒットした映画 「バタフライエフェクト」の主題歌にもなったほどの名バラードです。
- The Hindu Times
- Force of Nature
- Hung in a Bad Place
- Stop Crying Your Heart Out
- Songbird
- Little by Little
- A Quick Peep (Instrumental)
- (Probably) All in the Mind
- She is Love
- Born on a Different Cloud
- Better Man
- You’ve Got the Heart of a Star
Don’t Believe the Truth
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前作までが足し算のサウンドメイキングだとすれば、このアルバムは引き算でしょうか。徐々に隠れていったディストーション・サウンドはすっかりなりを潜めて、音の隙間が意識された楽曲作りになっています。Lyla のようなキャッチーなサウンドから、オリジナル・アルバムで唯一、リアムとノエルが二人でメインボーカルをとったバラード Let There Be Love などが収録されています。
- Turn Up the Sun
- Mucky Fingers
- Lyla
- Love Like a Bomb
- The Importance of Being Idle
- The Meaning Of Soul
- Guess God Thinks I’m Abel
- Part of the Queue
- Keep the Dream Alive
- A Bell Will Ring
- Let There Be Love
Dig Out Your Soul
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ラスト・アルバムです。かなり実験的なアルバムで、今までしてこなかったいろんなアプローチが詰まっているアルバムです。これまでのアコースティック・ギターを中心としたサウンドメイキングから一転して、エレキ・ギターやピアノが中心にくる楽曲が多いです。中心にくる楽器が変わったからか、楽曲の構成も今までと異なっていて、これからの可能性を感じさせるアルバムでした。
- Bag It Up
- The Turning
- Wating for the Rapture
- The Shock of the Lightning
- I’m Outta Time
- (Get Off Your)High Horse Lady
- Falling Down
- To Be Where There’s Life
- Ain’t Got Nothin’
- The Nature of Reality
- Soldier on
おまけ
Bサイドの楽曲も名曲ばかりです。一部、サイト内で和訳した楽曲へのリンクを掲載します。
――Translated by BxM – 文学xミュージック