Kiwi – Harry Styles 和訳と紹介

Harry Styles オールドスタイルのロックロール

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「あなたのベイビーが出来たわ。あなたには全く関係のないことだけど。」

サウンドについて
オールドスタイルのロックンロールだ。ヴァースのキメのフレーズがやや前のめりに入っていてカッコイイ。全く新しくもないし、ありふれてるジャンルだけど、やっぱりかっこいいと思ってしまう。昔ロックンロールにめちゃくちゃハマってた時期があるからかな。

歌詞について
シガレットとかハードリキュールとか、完全にロックンロール感を意識した言葉選びですよね。話の展開も如何にもロックンロールって感じ、特に言うこともないくらいに。好きな箇所は 2フレーズ目 “Hard liquor mixed with a bit of intellect” ってところかな。”彼女” のクールさが目に浮かびます。

それでは和訳をどうぞ。

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Woman – Harry Styles 和訳と紹介

Harry Styles グルーヴのあるビートとサイケの雰囲気

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「期待しているんだ。だけど君は俺を傷つける。」

サウンドについて
間の空いたベース・バスドラムのリズムがクールだ。楽曲中、常に狂いなく2回ずつ刻まれるハイハット、ライドと絡み合い、良いグルーヴが生まれている。Bメロのビートがダラーとなったところでもハイハットの刻みが変わらず、それがいい味出してると思う。間奏がどこかサイケっぽいのも好き。

歌詞について
浮気の歌?別れの歌?私には自由な女の人と付き合ってる男の歌のように思える。Bメロ一行目に関して補足なんですけど、”I hope you can see, the shape that I’m in“って歌ってます。この場合、the shape that I’m in っていうのは「俺の居場所」的なニュアンスになるのかな。そして、この曲でもやはりカントリー、アメリカン・フォークソングのネタが出てきます。アメリカの有名なフォークバンド The Band の楽曲に “The Shape I’m In” という楽曲があります。The Band は最近ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランのバックバンドを務めたことの有名です。

それでは和訳をどうぞ。

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Two Ghosts – Harry Styles 和訳と紹介

Harry Styles メロウなスライド・ギターと甘いバラード

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「思い出そうとしている。胸の鼓動がどんな感じだったのかを。」

サウンドについて
アコースティックのバラードだ。メロディラインが渋いなあ。アメリカのカントリーやフォークソングを思い出させる。古い音楽が好きなんだろう。どことなくブリットポップっぽい雰囲気もあるけれどね。リフや間奏がスライドギターなのも渋さが出てる。

歌詞について
冒頭の歌詞 “same lips red”とあるが、やはりカントリーの古い名曲に The Same Two Lip という曲がある。「私を愛したのと同じ唇が他の人を愛している」という失恋の歌だ。そして、この曲 Two Ghosts も失恋の歌だ。心臓を失ってしまった幽霊が、胸の鼓動を忘れないようにしている。恋を忘れないようにする様を未練がましいと思うこともあるけど、とても綺麗な表現に心を奪われてしまった。てか、それより!「冷蔵庫のライトが部屋を白に染める」について!冷蔵庫の光でダンスをするのはテイラー・スウィフトの All Too Well だ!(和訳はこちら)やっぱりテイラーのことを歌ってるんだなあ。。。

5/14 追記:サビ終わりの “I just trying to remember” に関して、「思い出そうとする」 とも翻訳できるとのご指摘を戴きました。「忘れないように」と翻訳した意図としては、①”Remember” という語は 「覚えている」 というニュアンスを含むこと ②別れたあとの歌だと捉えた → まだ付き合っていた頃の記憶(幽霊) が見えている という解釈をした為です。しかし指摘を踏まえて熟考し、 「思い出そうとしている」 に修正致しました。

ポイントは「胸の鼓動を覚えているか、忘れているか」です。そして二人が失った胸の鼓動とは何か。精読して気になったのは二人とも幽霊になっている点です。恋人に振られて恋人の影を見ているというより、「恋人とはまだ一緒にいる。しかし以前とは何かが変わってきている。」という解釈の方が妥当に思えてきました。そして変化 = 幽霊になったこと。ハリー自身も楽曲について「時々何かが変化して、同じことをしていても、違うことになってしまう」と語っています。ソースはこちら(海外サイトです)。胸の鼓動 = 深く愛し合っていた頃の感情ならば、忘れてしまっているんだろうな。くるりの「ばらの花」という曲のジンジャーエールの炭酸みたいだなーと思いました。 もちろん解釈は一つではありませんし、私の解釈を押し付けないように極力意訳を排するように心がけて翻訳しています。

それでは和訳をどうぞ。

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Sweet Creature – Harry Styles 和訳と紹介

Harry Styles アメリカの古いフォークソング・スタイル

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「いつでも君が僕を連れ戻してくれる。」

サウンドについて
フィンガー・ピッキングのアコースティック・ギターによる伴奏だ。メロディの間の取り方も60-70年代のアメリカのフォークソングを思わせる。シンプルな伴奏ながら、コーラスを増やしたり、フェイクを入れたりして盛り上がりを作っているのも良い。間奏ですごくリバーブを掛けていて、古っぽさを払拭するアプローチなのかな、と思った。

歌詞について
Sweet Creature = “可愛らしい生き物” 。恋人のことだろう。サビの歌詞などからは、まだ付き合っている感じがとれるが、引っかかる点が二つ。①一番Aメロ「どこで間違えたかについてもう一度話し始めた(Had another talk about where it’s going wrong)」②最後のBメロ「喧嘩するたびに難しくなるんだ(It gets harder when we argue)」。関係は悪化していることに気づいているが、そこから目を逸らして、付き合っているという事実だけを見ているように思う。それは「どこに向かってるかはわからないけど どこにいるのはわかってる(We don’t know where we’re going but we know where we belong)」という一文にも現れている。

それでは和訳をどうぞ。

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Ever Since New York – Harry Styles 和訳と紹介

Harry Styles 、U2のような広がりを感じさせるサウンドのミドルテンポ・バラード

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「祈ってるんだ。ニューヨークの頃からずっと。」

サウンドについて
ビートの刻みが、シンバルでなくてタムで刻んでいると、なんとなく壮大な雰囲気になるようなあと思う。アコースティックギターが中心のサウンドで、サビのコーラスの厚みもいい感じだ。恐らくこのライブアレンジはフルコーラスではないだろう。曲がもう少し長くなれば、もっとすごい盛り上げ方ができるはずだ。アルバムでの曲順も最後の方だし。。正式リリース後に書き直そうと思います。今回は新曲なので、VEVOの公式動画を張っておきました。

歌詞について
「俺がまだ知らないこと(Tell me something I don’t alraedy know)」とは、よりを戻せるような奇跡のことだろうか。それとも歌詞中に出てくる「もうおしまい。君からそれだけ聞ければ十分だ(almost over, that’s enough from you)」という言葉だろうか。切り替えられない恋の歌詞は、やはりテイラー・スウィフトのことを歌ってるんだろうなと。ニューヨークは①ハリーとテイラーのデートが目撃されたのがニューヨーク②テイラーの楽曲に “welcome to newyork” という楽曲があるなど、所縁がある。やはり、これはフルコーラスではないと思っているので、正式リリースでどんな文章が加えられるのか楽しみだ。

それでは和訳をどうぞ。

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