Give Yourself A Try – The 1975 和訳と紹介

The 1975 ノイジーでキャッチーなリフ。淡々としたアップテンポのエイトビート。

The-1975-official-photo-2018
「だから、トライしてみなよ。」

サウンドについて
ノイジーなギターフレーズが、曲中ずっとリフレインされている。起伏のないビート、メロディ。淡々と曲が展開されていく様は、1990年前後のUSオルタナを思い出します。ビートは2000年代のUK感もあるかな?私はオルタナファンなので好きですけど、好みはわかれそうですねー。Chocolateとかはとってもキャッチーですしね。サビでなんとなくU2思い出します。全然似てるとかじゃないんだけど。

歌詞について
2番と3番のバースの歌詞が少しモリッシーぽくて好きだー。言葉選びは全然違うけど、弱い目線から皮肉っぽく描写するところが好きです。だけどかっこいいのは1番のバース。集めたアナログレコードとコーヒーは、どう生きてきたか、何を知っていて、何が好きなのかを表しますよね。MVのイントロの語りの2行目も併せて、自分の気持ちに真摯でありたいと思わせられます。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Graffiti -Chvrches 和訳と紹介

Chvrches 王道構成でChvrchesらしいメロディに乗せて、終わった恋を歌う。

love-is-dead

「小部屋中に私たちの心を落書きした。」

サウンドについて
Aメロ、Bメロ、サビの流れで、サビの終わりを繰り返すポストコーラス。エレクトロ系のポップスの王道構成だけど、Chvrchesのメロディはやっぱり特徴があって、よくあるポップソングというより、よくあるChvrchesのバラードって感じに聞こえますね。サウンド、音色ももちろん特徴的だけどね。このライブ動画、歌い出しのメロディが少し外れてて(低い?)、不安定な感じがかっこいいですね。ローレン・メイベリーは元々オルタナティヴ畑の人だし、ただのエレクトロポップじゃねえぞ感が個人的に良いです。

歌詞について
終わった恋を振り返って、あの頃の二人は幼くて、何もわからなかったと歌っています。”Graffiti” とは落書きのことで、サビに「バスルームの壁中に二人で落書きをした」という描写があります。日本語でグラフィティといえば、路上の壁とかに書かれた落書きをイメージしますよね。あの頃の二人の心は、綺麗な水彩絵の具で丁寧に描かれたのではなく、落書きのように拙さを持って、心のまま、狭いバスルームに描かれたんですね。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

She Taught Me How To Fly – Noel Gallagher’s High Flying Birds 和訳と紹介

Noel Gallagher サイケ感のある4つ打ちロックンロール。16分のハイハットが印象的。

she-taught-me-how-to-fly

「俺が愛する彼女は、俺に飛ぶことを教えた。」

サウンドについて
序盤だけ聞くと、Oasisの最終アルバムに入っていそうな曲。サイケで、四つ打ちで、、。ただ、ハイハットを細かく刻むのはOasisではやらなかっただろうなあ、なんて思います。ロックンロールは頭で聞いて、言葉で語っちゃいけない音楽だと思っているので、早めに切り上げますね。

歌詞について
曲名がかっこよすぎる。She Taught Me How To Fly て。いろんな愛の言葉があるけれど、ノエルはやっぱり最高にロックンロールですね。サビの出だし ” put your money where your mouth is” は、イディオムで「口だけじゃなくて行動しろ」的な意味です。俺は彼女に飛び方を教えてもらって飛んでるよ。お前は口ばっかりだな、お前も飛んでみろよ。って感じかな?

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Don’t Miss It – James Blake 和訳と紹介

James Blake 忘れなきゃいけない痛みが胸を締め付けるバラード。

james-blake

「君が元気になった時、恋しがっちゃいけない。俺のように。」

サウンドについて
いわゆるAメロ、Bメロ、サビ…の形じゃなくて、繰り返しのないAメロ、Bメロ、Cメロの3パートで構成される一方通行の曲。歌詞にマッチした楽曲構成です。明るくも暗くもない、湖の底を歩いているような、透き通る薄暗闇の中を静かに歩いているようなA、Bメロ。音色は遊び心が満点ですね。音を揺らしたり、ぶつ切りにしたり、早送りもしている?一番最後のメロがエモくて、とても好きです。

歌詞について
大切なものを失った時の辛さだけでなく、その辛さを失った時の辛さを歌っています。Aメロは語りの導入のような感じ。Bメロは失った辛さ、失って得た自由の話。失ったおかげで得たものもある。だから Don’t Miss It 、恋しがっちゃいけない。俺のように恋しがっちゃいけない。Cメロは失ったことを恋しがっちゃいけない、から、友達と笑い合い、辛さを忘れてしまっても恋しがっちゃいけないと歌っています。だけど、俺のように恋しがっちゃいけない。恋しがるなと言っているようで、恋しく思う人に寄り添うような歌ですね。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Wake Me When It’s Quiet – Don Diablo 和訳と紹介

Don Diablo ft. Hilda 憂いを帯びた切ないサウンドに、キャッチーなメロディ。透き通る歌声。

wake-me-when-its-quiet

「言葉が置き去りにされたなら。静かになったら、私を起こして。」

サウンドについて
全体的に静かなサウンド。メロディも伴奏もどこか悲しげで美しい。サビのメロディは悲しさが少し抜けて、キャッチーな印象があり、そのままポストコーラスを頂点に盛り上がって行く。盛り上げ方、展開などはよく聞く感じで、2サビでビートが消えたり、ポストコーラスがビートが効いていたり、ピアノとボーカルのアウトロなどがカッコいい。個人的にしばらくこういう曲のトレンドを追ってなかったんだけど、サビとポストコーラスの間がガッツリ空いているのはびっくりしました。流行ってる?

歌詞について
バースの「考えすぎないで」「感情に負けないで」や、プレコーラス全体など、不要な心配や孤独感を感じる人をささえてくれる言葉ですね。誰かは「逃げている」なんて言うだろうけど、どうしようもないときは、どうしようもない。もし誰も私の言葉を聞いてくれないのなら、「静かになったら起こして」。他人の物語の中で、誰も言葉を聞いてくれない中で、傷付きながら闇雲に叫び続けることは意味がこともあるかもしれませんね。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Get Out – Chvrches 和訳と紹介

Chvrches 軽快なイントロから入る別れの逡巡。


chvrches201812402

「私たちはここから抜け出せるのかな。」

サウンドについて
表拍のクラップと、軽快なリフのイントロがすごく印象的。何か楽しいことが始まりそうなイントロですね。メロに入ると、チャーチズらしいミドルなビート感。サビはハイハットは相変わらず細かいけれど、バスドラムとスネアが半分なので、曲のノリを保ちながら、チャーチズらしさが出てますね。

歌詞について
別れ際のカップルの歌なのかな。一行目は別れ話をするってことなのかな。変わると言い張る恋人を万華鏡だと喩えているとしたら、皮肉っぽいね。方向を変えただけで綺麗に変われるものなんでしょうか。意志だけじゃ十分じゃない。だけど、Aメロは別れを告げる側の心の揺れを描写してますね。自分も相手も、何を望んでいるのかわからないから “Can we get out of here?” なんでしょう。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Autum Leaves (枯葉) – Nat King Cole 和訳と紹介

“枯葉” まさに王道なマイナー調の歌物ジャズ・スタンダード。

autumn-leaves

「紅葉が舞い落ちる頃、何よりもあなたが恋しい。」

サウンドについて
有名なジャズ・スタンダードです。シンプルな4度進行なので、初心者向きなのですね。元々はシャンソンで、色々な人の色々なテイクがあるので、特にここで語ることはないです。歌物だけじゃなく、インストの演奏も色々聴いてみてください。

歌詞について
「枯葉」という和訳は素晴らしいと思うのだけれど、実は曲中の葉っぱは枯れてないんだよね。このサイトのポリシーの一つに、「理解しやすさを損なわない程度の直訳」があるので、先人の訳に背いてみました。枯葉ではないので、冬ではなく秋の情景です。赤と黄金の美しい紅葉が舞い落ちる中、あなたと過ごした夏を思い出す。そしてすぐに冬を迎えるはずなのに、どんどん日が長く感じる。夏の方が日が長いはずなのに。美しい風景と枯葉のような心の対比がとても美しく描かれています。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

It’s A Beautiful World – Noel Gallagher 和訳と紹介

Noel Gallagher’s High Flying Birds 「物事に屈しない」喜びの曲

she-taught-me-how-to-fly

「美しい世界、全ては俺のもので、全ては正しいんだ。」

サウンドについて
11/22にリリースされる “WHO BUILD THE MOON?” から最後の先行リリース楽曲です。昔からたまにやる、バースがメインの構成の楽曲です。緩急のないビートで、同じようなメロディを繰り返しても飽きることないのは、それ以外の部分を作り込んでいるからですね。バッキングにメロディを増やしたりなど。

歌詞について
It’s A Beautiful World” とは、「美しい世界」です。Noel Gallagherはインタビューで、テロリズムなどに触れながら、「酷いことや憎しみに直面しても、”美しい世界” だと言えるというのは、物事に屈しないというメッセージ」だと述べています。

感想のフランス語の語りは、フランスのシンガー “Charlotte Marionneau” に「なんでもいいから話してほしい」と頼んだものが元になっているらしいです。どうやら世界の終焉について話されたらしく、ノエルが直しを入れて録音したとか。笑

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

The Blackout – U2 和訳と紹介

U2 四つ打ち・ダンサブルな新作ロックを発表。

u2

「ブラックアウト。鮮明で、君という人間が現れる。」

サウンドについて
四つ打ちでダンサブルな、荒っぽいサウンドのリフものロックミュージックって感じです。Aメロとかで聞こえる、ミュートした高音のギターがU2っぽさ出てます。だけど、ミーハーな私的には “With Or Without You” みたいなサウンドの印象が強いから、思ってたのと違うなーって言うのが正直な感想でした。アルバムで聞くとまた違うんでしょうね。楽しみに待ちましょう。

歌詞について
初っ端からダイナソー、コミットと、スケール感リミットブレイクで襲いかかって来ました。”The Blackout” の Blackout を辞書で引くと、「停電」とか出てくるけど、「黒になる」って感じかな。一時的な意識喪失とかにも使われます。名前で呼びかけるようにして、韻を踏んでいるのが面白いですね。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

カテゴリー U2

【和訳付】Reputation – Taylor Swift 全曲レビュー

Taylor Swift 2017/11/10 にリリースされたアルバム。

reputation

「さあ。ゲームを始めましょう。」

SNSの投稿を削除して、脱皮する蛇の動画でプロモーションをしたり、「オールド・テイラーは死んだ」なんて先行シングルをリリースしたり。「新しいTaylor Swift」への期待を煽りに煽ってリリースされた “Reputation“。ストリーミングで配信されたなかったので、購入して聞きました。

先行リリースされる曲はダークなサウンドや、アダルトなサウンドばかり。”We are never ever ever !” とか “shake it up! shake it up!” って言ってた人と、本当に同一人物なのか…?Taylor Swiftは歌詞とメロディが最高に素晴らしいので、絶対に信頼できるんですが、歌はメロディよりもリズムで攻めてるし、、。 まあ結論から言うと、最高のアルバムでした。曲に関しては各ページにも色々書いていますが、少し書きつつ、記事紹介しようかなと思います。全楽曲、個別ページにリンクを貼ってありますので、確認してみてください。文量にバラツキありますけど、疲れてたんだなと思ってください。

続きを読む