Kiss It Better – Rihanna 和訳と紹介

Rihannaのアルバム “ANTI” で最もメロウなラブソング。イントロのギターリフが色っぽい。

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「キスで謝ってよ。一晩中ずっと。」

サウンドについて
Rihannaが2016年早々にリリースした “ANTI” 。実験的であったり、凝ったサウンドが多く見られるアルバムだが、 “Kiss It Better” はグッドメロディの王道ポップスだ。他にも歌ものは、アルバム終盤に “Love on the Brain” から三曲ほどソウル風の楽曲が続くが、前半のハイライトは “Kiss It Better” だろう。イントロのギターリフが色っぽい。

歌詞について
“I’ll kiss it better” は “痛いの痛いの飛んでけ” のように使われる。キスで治すという意味だ。この曲は喧嘩した恋人に対して、一晩中キスをして謝ってほしいとせがんでいる。”willing to do” とはしても構わないというくらい消極的なOKである。強気だが一歩身を引いていて、甘えている女性像にセクシーさを感じる歌詞だ。

それでは和訳をどうぞ。

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PILLOWTALK – ZAYN 和訳と紹介

One Directionを脱退したZAYNが遂に新曲 “PILLOWTALK”を発表。 “ありのままで淫ら” がテーマのサウンドとリリック。

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「とても純粋で、とても汚くて、生々しい。」

サウンドについて
2015年にOne Directionを脱退したZAYNが一年後に発表したシングル曲。そのサウンドはOne Directionの頃と比べて大人っぽいものとなっている。この曲の大きな特徴はポップス系のサウンドというところだろう。セクシーな曲なのに、わかりやすいポップさを保てている。One Directionの曲を “バカみたいに一般的で恥ずかしい” と語っていたZAYN。彼もこの曲には満足しているのではないだろうか。

歌詞について
“PILLOWTALK” とは寝室での会話のこと。この曲では、二人はベッドに乗り込んで愛し合っている。この歌詞を読んだとき、ヘルマン・ヘッセのデミアンを思い出した。光と闇、キツく優しく、苦しみと喜び、純粋で生々しくて、楽園と戦場。相反する二つの概念をひたすら対比している。愛とは、その二つを同時に成立させることができるものなのかもしれない。

それでは和訳をどうぞ。

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カテゴリー ZAYN

Rocket – Beyoncé 和訳と紹介

Beyonceの放つセクシーすぎるソウルバラード。6/8のグルーヴとコーラスワークが連想させるのは…

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「あなたのロケットと私の滝。溢れるまで。」

サウンドについて
このビート、このコーラスワーク、このグルーヴ、このメロディ、、、どこかで聞いたことがないだろうか。そう、 Beyoncé 本人も公言しているように、この曲は D’angelo “Untitled (How Does It Feel) “ に強い影響を受けている同曲の記事はこちら)。肌を露出したセクシャルなMVまで被せてくるほど徹底したオマージュにリスペクトを感じる。D’angelo の楽曲はポップスとは言いがたいが、 Beyoncé は彼のフィーリングを完璧にポップスに落とし込んだ。これはとても偉大な業績だ。

歌詞について
歌詞はあまりにもセクシーすぎる。もはや官能小説並みの艶やかな歌詞は読んでいるだけで落ち着かなくなってくる。これだけの歌詞を歌い上げる Beyoncé はやはり色気を感じる。

それでは和訳をどうぞ。

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Love On Top – Beyoncé 和訳と紹介

Beyonceが2011年に放つ1980年代ソウル・R&B風のラブソング。

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「あなただけなの。そして私の愛を一番に選んでくれた。」

サウンドについて
Beyoncéが2011年にリリースした “4” の一曲目を飾るのは80年代ソウル・R&B風のラブソングだ。古き良き王道サウンドは私たちの胸にスッと忍び込む。新しいアイデアばかりに頼らず、ありふれたいい音楽をしっかりと作ることは大切な事だ。限りなく転調し続けるサビは圧巻

歌詞について
歌詞もやはりいい意味で古い。いい曲には必ず相応しいいい歌詞がつく宇宙の法則があるが、80年代テイストの楽曲には80年代テイストの歌詞が一番似合うのだろう。一人称視点で具体的な情景描写をするAメロから、サビに向けて徐々に抽象的な感情描写に移っていくのは歌詞の王道構成だ。

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Work ft. Drake – Rihanna 和訳と紹介

Rihanna、アルバム “ANTI” から先行シングル。ミドルテンポの壮大なメロディ。

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「彼に傷つけられても構わないの。働かなきゃ。」

サウンドについて
Rihannaのアルバム “ANTI” からの先行シングル曲。軽快なビートだが、全体の雰囲気が放つ浮遊感とつかみ所のないメロディとトラックがやみつきになる曲だ。どの瞬間も美しさを感じるのだが、覚えづらく、そのせいか何度聴いても新鮮に響く。

歌詞について
リアーナの歌詞で女性の立場が少し低く描かれることがあるのは、彼女自身にDVの経験があるからだろうか。悪い扱いを受けても “Don’t leave me” と歌う彼女はどんな心境なのだろう。

それでは和訳をどうぞ。

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Formation – Beyoncé 和訳と紹介

Beyonce、ハーフタイム・ショー前日に突如新曲をリリース。緩急のついた展開がクールなダークなナンバー。

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「圧倒しなければ排除される。最高の仕返しはあなたのお金なの。」

サウンドについて
2016年2月8日にスーパーボウル・ハーフタイム・ショーに出演が決まっていた Beyoncé だが、その前日に新曲を急遽リリースした。コード進行が少なく、音数とリズムで緩急を付けたこの曲には思わず身体を動かされてしまう。音の少ないところと多いところの差があまりに激しいので少し驚くかも知れない。サビに向けて細かいヴォーカルが重なっていくところがクールだ。

歌詞について
2014年から D’angelo“Black Messiah”Kendrick Lammer“To Pimp a Butterfly” など、黒人に関する問題について扱うポップスが増えてきているように感じる。 Beyoncé はかつてインタビューで黒人が成功するには白人よりずっと多くの努力をしなくてはならないと語っている。この曲は黒人差別に対するメッセージを持つ曲だ。スラングや固有名詞が多く和訳が困難だったが、全体のメッセージは上記の通りだ。(今回は多めに見て頂けると助かる。)イルミナティ、ロッカフェラ、ビヨンセがテキサス出身であること、南部黒人が食べていた安いパンであるコーンブレッドなど、文化や彼女の背景を知らないと理解が難しいだろうが、ビヨンセファンのあなたなら大丈夫だろう。知らない人も調べればすぐ出てくるので、関心のある人は是非調べてほしい。

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Stressed Out – Twenty One Pilots 和訳と紹介

Twenty One Pilotsの重たいビートのヒップホップチューン。サビのドラマチックなポップスメロディが活きる。

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「 “目を覚ましてお金を稼げ!” ストレスでどうにかなりそうだ。」

サウンドについて
ブレイク中のTwenty One Pilotsがリリースしたのは重たいビートとダークなサウンドの王道ヒップホップのような曲。エミネムが好きなんだろうなって感じのラップだ。しかしサビの展開は完全にUSポップスの雰囲気を放っている。よく見かけるヒップホップを取り入れたポップスだ。

歌詞について
誰でも大人になりたくないと思ったことはあるだろう。子供の頃を懐かしく思うこともあるだろう。歳をとっても怖いものや嫌なことがなくなる訳じゃない、耐えられるようになるだけだ。耐えているフリがうまくなるだけだ。自分の心に耳を澄ましてみると、ストレスでどうにかなりそうな自分が見つかるかも知れない。そしてそう思うのはあなただけじゃなさそうだ。

それでは和訳をどうぞ。

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Guns For Hands – Twenty One Pilots 和訳と紹介

CM曲にもなったTwenty One Pilotsのヒット曲。美しいメロディに乗せた強いメッセージ。

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「どんなに頑張っても眠れないんだよ。君が銃を持っている限り。」

サウンドについて
ライトオンのCMのタイアップになっていたこの曲。その美しすぎるメロディは一度聴いたら耳から離れなかったのではないだろうか。非常に荒削りなサウンド(Bメロは特に)だが、それが逆にメッセージを胸の奥の方に直接響かせてくる。Twenty One Pilots はポップス、ロック系のユニットだが、エミネムのような巧みなラップも大きな特徴だ。しかし、この曲に限ってはやや無理がある組み込み方をしてしまったと思う。かっこいいのだが、曲の流れで見ると少し違和感を感じる。

歌詞について
歌詞はアメリカで起きた銃乱射事件について歌っているものだと思われる。何かを不満に感じて、それか原因すらも曖昧に苛立つこともあるだろう。考え方を変える、環境を変える、、、いろいろな対処法があってどれが正解かはわからない。時には人を傷つけることもあるだろうが、銃で傷付けてはいけないことだけは明らかだ。まずその銃を拳に変えなければならなかった。

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Getaway – Earth, Wind & Fire 和訳と紹介

Earth, Wind & Fireの王道ファンクポップス。細かいリフと開放感のあるサビ。

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「この退屈な世界から逃げ出そう。俺たちならできるんだ。」

サウンドについて
スキャットとリズム隊によるキレのある細かい音符のリフから始まるこの曲。そのまま “Get away” と上昇するメロディで歌うサビに繋がるのがクールだ。楽曲全体としては September や Fantasy のような雰囲気ではなく、 Tower Of Power のようにメロの展開がある王道のファンクミュージックだ。Earth, Wind  & Fire らしさを醸し出すのはやはりファルセットヴォイスなのだろうか。

歌詞について
歌詞は自分を苦しめることに付き合っていてもしょうがないから逃げ出そう(Get away)ということを歌っている。自分の生きる道は自分で決めなければならない。退屈なことに時間を割き続けるかぎり、人生に退屈なことが付きまとうのは間違いない。余談だが、彼らの歌詞には「〜〜の国」といった表現がよく見られる。Fantasyでも何度か登場するので、是非チェックしてほしい。

それでは和訳をどうぞ。

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Fantasy – Earth, Wind & Fire 和訳と紹介

Earth, Wind & Fireの神秘的な世界観とファルセットヴォイス。

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「想像が俺たちを行動へと導く。夢は必ず叶うだろう。」

サウンドについて
この曲の邦題は「宇宙のファンタジー」だ。なぜ宇宙を付けたのか意味不明だが、付けてしまう気持ちもわかるくらい神秘的なサウンドである。ファンクやダンスミュージックなどどうでもいいと言わんばかりに彼らの世界を押し出してきている。今回はライブ動画を掲載しているので、彼らのパフォーマンスと故モーリス・ホワイトの才能をしっかりとチェックしてほしい。

歌詞について
歌詞は “想像” (=Fantasy)について歌っている。誰もが胸の中に夢を描いている。それは誰かに壊せるものではない。その想像を持ち続けることが行動に繋がり、どんな夢でも叶えるだろうと歌っている。楽曲の神秘的な世界観が不思議な説得力を醸し出している。

それでは和訳をどうぞ。

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