It’s Only Love – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 短いながら物語を感じさせるメロディライン。

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「これが愛なんだ。だけど愛することは難しいんだ。」

サウンドについて
2分間もないような楽曲ですが、なかなかドラマチックな展開ですね。サビの直前の1フレーズが効いている気がします。バースからそのままサビに行くか、短いBメロを挟むか、もちろんケースバイケースでしょうけれど、短いフレーズがあるだけでグッとドラマチックになります。あとサビがわかりやすく他のパートと違うのもポイントですね。この楽曲では①サビでボーカルを重ねている②タンバリンが入っていることによって、他のパートとの区別がされています。

歌詞について
近くを通り過ぎただけで嬉しい気持ちになったり、ため息を見るだけで動揺したり。そんな不思議な気持ちについて「愛だから。以上。」という答えを出してます。考えすぎてもしょうがないことですもんね。

Verse1は上記の通りに、心の動きを描いていますが、Verse2では二人の間柄に触れて、愛することは難しいというフレーズに繋げています。少し細かい話ですが、サビの1行目”It’s only love and that is all” の love は名詞の「愛」、サビ終わりの “it’s so hard loving you” の love(loving) は動詞の「愛する」です。愛を持っていても、愛することは難しい、というメッセージです。

それでは和訳をどうぞ。

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Act Naturally – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles リンゴが歌うカントリーのカヴァーソング。

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「悲しくて孤独な男の映画を作る。俺は自然に振る舞えばいいんだ。」

サウンドについて
リンゴ・スターがボーカルを取っています。カントリーをやるところがいいですね。確かにジョンやポールより似合っているかもしれません。The Beatlesのいいところの一つは、メンバー全員が歌えるところですよね。最近はすっかり専業化というか、全員がボーカルをとるバンドは殆ど無いように思えます。

歌詞について
ハードボイルドな歌詞ですね。「悲しくて孤独な男」が主人公です。面白いのが、歌詞中では自分の話をしないで表現していること。悲しくて孤独な男の映画を作ってビッグスターになる。俺のとても合っている役で、自然に振る舞えばいいから。そう歌うことで、自分自身が悲しくて孤独な男だと描写しています。自虐的なある種の不快感を一切感じさせないで「悲しくて孤独」を表現すると、ハードボイルドさが出ますね。

それでは和訳をどうぞ。

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Ticket To Ride – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles カーペンターズもカヴァーした別れの曲。ヘヴィーなリフが印象的。

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「どうして彼女が楽しげに乗車していくんだ。」

サウンドについて
ジョン・レノンが「ヘヴィ・メタル・レコードとしては、最も早いもののひとつ。」と語っているそうです。素晴らしいボーカルのメロディラインに耳を奪われてしまいますが、確かにドラムとギターによるゴリゴリのリフものですもんね。ヘヴィなサウンドが手軽に使える時にこの曲を作ろうとしたら、メロディラインも変わっていたのでしょうか。

歌詞について
ジョン・レノンのインタビューとは裏腹に、サウンドより歌詞の方がヘヴィじゃないでしょうか…。恋人が船に乗って遠くへ行ってしまう歌なんですけど、恋人が嬉しそうな様子が描かれています。Verse2とブリッジがヘヴィすぎますって、、。当時の邦題は「涙の乗車券」。「涙」が追加されていますが、わかりやすく伝えるための工夫ですね。涙も流せないくらいヘヴィだと思いますけど…。

タイトルの “Ticket To Ride” はイギリスの地名、フェリー港がある “Ryde” にかけているらしく、おそらく乗り物はフェリーなので正しくは「乗船券」なんでしょうか。気にしてもしょうがないところなので、本文中でも乗車と訳してます。

それでは和訳をどうぞ。

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You’re Going To Lose That Girl – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles クオリティの高いモータウン風のオリジナル楽曲。

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「彼女に優しくしないと、俺が奪いとるよ。」

サウンドについて
モータウンの楽曲をたくさんカヴァーしてきたThe Beatlesですが、この曲はジョン・レノンのオリジナルです。ジョンは初期の頃に色々な人の楽曲を真似して書いていた時期があったと語っており、これもその流れの一つなんでしょうか。ハモる部分とか、完璧ですね。

個人的にはギターソロの入りがお気に入りです。あとパーカッションが微妙に主張強すぎる感じがします、、。色々なサウンドをやることにはまっていた時期ですし、入れてみたかったんでしょう。

歌詞について
You’re Going To Lose That Girl“、直訳すると「君はあの子を失うことになるよ」って感じですが、当時の邦題は「恋のアドバイス」です。中々的確に意味を捉えていますね。具体的なアドバイスの内容に対して、抽象的なフレーズですよね。日本人には抽象度が高いタイトルの方が受け入れられやすいんですよ。もっと言うと抽象的なフレーズに意味を与えるような文構成の歌詞が受け入れられやすいと思っています。Mr.Childrenとかはそれが本当に上手ですよね。

それでは和訳をどうぞ。

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Another Girl – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles ロー・トーン・ボイスで淡々と別れを告げる歌。

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「諦めなよ。新しい彼女ができたんだ。」

サウンドについて
低めの音程で平坦に歌うボーカルがクールですね。”For I have got another girl, another girl”というフックのフレーズを付け足すような曲の展開もかっこいいです。だけどバースのリズムパターンは、なんだか可愛いですね。8拍区切りで最後の3拍全部にアクセントがあるのが印象的です。

歌詞について
新しい彼女ができた歌です。だけど前の彼女の描写が全然ないので、飽きて乗り換えたのか、、とか思っちゃいますね。唯一のヒントはVerse1の一行目。だけど、これだけじゃよくわからないですよね〜。なんだかな〜。笑

それでは和訳をどうぞ。

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Imaginary Friend – MØ 和訳と紹介

MØ 薄暗い部屋で歌うMV。2分の1の四つ打ち。

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「感じるために目を使う必要はないの。」

サウンドについて
形式はムー自身のフィールドであるダンス・ミュージックに乗っ取っています。その中で癖があると思う点なんですけれど、このテンポなら、大体の楽曲ではバスドラムがこの楽曲の倍で叩かれると思うんですよね。それでも四つ打ちなのと、裏で音量を抑えたパーカッションが倍の位置で鳴っているのが隠し味になっていて、スローでシリアスな歌ものだけど、ダンサブルなノリを出しています。

歌詞について
Imaginary Friend“、Imaginaryは「空想上の」という意味を持ちます。”Imagine”の形容詞系ですね。全体的に意味がわかるんですけれど、”Imaginary“という言葉でよくわからなくなってきますね。どうして想像上なんでしょう。Pre-Chorus1の一行目、”If you can picture it, it’s real”も関係してそうな一行です。

それでは和訳をどうぞ。

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I Need You – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles バイオリン奏法を取り入れたサウンド。

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「俺が君のことをどう思っているのか、思い出してほしい。」

サウンドについて
60年代のポップスらしい楽曲ですね。The Monkeysとかがやっていても違和感なさそうですね。さて、The Beatlesがこの楽曲で試した新しいサウンドはギターの「バイオリン奏法」です。ギターを普通に弾くと、ピッキングの音がジャキッと鳴るものですが、この楽曲ではピッキングの瞬間、ボリュームを0にして、ピッキングした後に音量を上げていくことによって、バイオリンのような、アタック音の柔らかい音色を鳴らしています。

歌詞について
振られてしまったラブソングです。戻って来てくれ、思い出してくれと歌っています。しかし、もっと初期の頃のような情けない感じはなくなりましたね。終わった恋にすがりつくようなラブソングでも、綺麗な歌詞になっているのは素晴らしいですね。この頃にはロックミュージシャンとしてだけではなく、ポップスミュージシャンとしても完成してきたのを感じますね。

それでは和訳をどうぞ。

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You’ve Got To Hide Your Love Away – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles ジョン・レノンのフォークソング。エンディングのフルートも印象的。

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「ヘイ、その恋を隠した方がいいよ。」

サウンドについて
フォークソングですね。楽曲が優れているのはもちろんのこと、この頃からサウンド面での遊びが加速度的に増えていった気がします。ドラムスではなく、アコースティックギターとタンバリンが楽曲のベースを流れています。ギターのサウンドが独特なのにも理由があって、ジョンが「音が気に入らない」という理由でいくつか弦を切った12弦ギターを使用しているらしいです。他にもサビと同じフレーズをギターの低音弦で弾いていたり、アウトロのフルートも高低で音を重ねていますよね。

歌詞について
You’ve Got To Hide Your Love Away“、「その恋を隠した方がいいよ」という意味ですが、当時の邦題は「悲しみはぶっとばせ」でした。英語と全然違うけど、大事なところを押さえている和訳(真心ブラザーズのMy Back Pageとか)は好きなんですけど、これは流石に違いすぎるでしょ!
恋に悩む主人公を、周りの人たちが揶揄う歌です。主人公も負けじと、強がって周りに対抗しています。Verse1とVerse2で気の強さが違うのがポイントですね。

それでは和訳をどうぞ。

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The Night Before – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 小刻みなリズムが可愛らしいロック・ポップ。

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「嘘だったのかい。昨日の夜みたいに抱きしめてよ。」

サウンドについて
なんだか可愛いサウンドですね。ポップって感じです。メロディラインで所々でブルーノートを使うのがロックンロールのルーツが見え隠れする感じでかっこいいですね。高低のエレキギターを二本重ねたギターソロもかっこいいです。音として面白いと思います。

歌詞について
昨晩に一緒に過ごした女性の態度が、翌日には全然違っていたという歌です。ありがちと言えばありがちなシチュエーションですけど、悲しすぎですよね。片方は恋に落ちて、片方は恋が冷めてしまったなんて。昨夜とか、昨晩、昨日の夜の方が日本語的に自然だと思いましたが、”The Night Before“というタイトルに忠実に「前の夜」と訳しました。

それでは和訳をどうぞ。

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Help! – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 誰でも知っている、様々なミュージシャンがカヴァーした初期の名曲。

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「落ち込んだ時、助けてくれるかい。」

サウンドについて
5thアルバムの一曲目。とても有名な曲ですよね。勢いのあるイントロ、どこか懐かしさを感じるバース、しっかりと落とすサビ、イントロよろしく”Help!“のワードを繰り返すアウトロ。ミュージックビデオもかっこいいですね!
このアルバムはオールディーズ感というか、懐かしくなるような優しいメロディが多い記憶があります。アルバムの印象付けとしても最高の一曲目ですね。

歌詞について
Help!“、助けてくれ!って、何を助けてほしいの?具体的なことは出て来ませんが、バースに答えがあります。若くて尖っていた頃は、誰の助けもいらない、一人で生きていけると思っていた。だけど時が経つにつれて、不安な気持ち、落ち込んだり、地に足がつかない時もあることを知ったという歌です。

それでは和訳をどうぞ。

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