Nowhere Man – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 何重にも重ねられたコーラストラック。

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「彼は”どこにもいない男”だ。俺たちに少し似ていないかい。」

サウンドについて
綺麗なメロディラインですねー。メロディだけで言えば、少しポールも作りそうな感じもしますよね。しかしサウンドアプローチは完全にジョン・レノンそのものです。印象的なのはコーラス。ジョン、ポール、ジョージの三人がダブルトラックでレコーディングしているそうです。たくさん重なるだけで、独特な厚い印象になりますね。

歌詞について
曲名から素敵ですね!”Nowhere Man“、「どこにもいない男」という意味です。自分のことも、他人のことも、周りのこともよくわかっていない。そんな人物を描いて、君や俺みたいだ、と歌っています。ジョン・レノンらしいですね。イントロとアウトロで同じフレーズを歌っています。人生ってそんなものかもしれませんね。

当時の邦題は “ひとりぼっちのあいつ” なんですが、このタイトルは好きじゃないですね…。孤独やニヒルな感じにミスリードしている感じが嫌いです。テーマはそこじゃないと思うんですよね。何ひとつハッキリとわからない私たちが、何の為にもならないことをしながら生きていくことを歌った歌だと思うんですよねー。

それでは和訳をどうぞ。

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You Won’t See Me – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 優しいメロディとポップなサウンド。

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「君が俺を見てくれないなら、もうやっていけないよ。」

サウンドについて
この曲大好きなんです〜。まずコード進行が好きなやつなんですけど、メロディラインがとても優しいですよね。どうして優しいって思うんだろう、コーラスもいい感じですね。あとこの曲、ドラムがおかしいのに気づきましたか?なんと、ハイハットだけ別で録音されているんです。だから人が叩いている感覚で聞いていると、手の数がおかしいことに気付くと思います。タム回しとか顕著ですよね、腕が4本あります。笑

歌詞について
You Won’t See Me“は「君が俺のそばにいない」くらいの捉え方でいいと思います。振られてしまった歌ですね。個人的にですが、この時期の作品は歌詞より音楽に好きがいってしまうので、あまり書くことがありません、、。いい曲だし、それが一番いいよね。

それでは和訳をどうぞ。

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Norwegian Wood – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles シタールを初めて用いたポピュラー・ミュージックの歌詞は微かな狂気が漂う…?

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「この部屋は素敵でしょう。ノルウェーの森よ。」

サウンドについて
The Beatlesとシタールは馴染みが深く感じますね。ポピュラー・ミュージックにシタールが使われたのは初めてだと言われているとか。曲自体は緩やかなフォークソングです。すっかりジョン・レノンらしい作風が確立しています。明るいとも暗いともつかない、不思議な雰囲気です。バースのメロディが印象的で、ギターリフにも使われています。

歌詞について
女の子と遊ぼうとした話ですが、、。女の子が泊まるように言ってきたのに、風呂で眠ることになった腹いせか、曲の終わりでは家に火をつけています、、。”Norwegian Wood“は「ノルウェーの森」という意味で、女の子の部屋の様子を表現しています。曲の始まりに女の子の自慢の部屋を指して「ノルウェーの森は素敵じゃないか」と言ったのに対して、主人公が部屋を燃やして「ノルウェーの森は素敵じゃないか」と言って曲が終わります。こわっ。

それでは和訳をどうぞ。

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Drive My Car – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 中期の始まり。Rubber Soulの一曲目を飾る個性的なロックミュージック。

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「ベイビー、あなたを運転手にしてあげる。」

サウンドについて
The Beatlesはロックンロールをロックにした、なんて言われることもありますが、まさにこの時期のことだと思っています。確実にロックなんですけど、これまでの所謂ロックンロールとは全く違うサウンドなんですよね。ポップスでもないロックンロールの雰囲気、革新的なサウンドですよね。
Rubber Soulの一曲目です。相変わらず一曲目にふさわしいイントロを作りますね。The Beatlesは前期と後期で語られることが多いですが、Revolver、Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Bandと併せて中期と呼びたいサウンドの始まりです。

歌詞について
Drive My Car“、「私の車を運転していい」という意味で使われています。この楽曲、なんとほとんどの歌詞が女の子のセリフで構成されています。各バースの一行目だけ男目線、その直後に”She said …”ときて、女性目線の方がしっくりくる言葉がずっと続きます。

それでは和訳をどうぞ。

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BIG LOVE – The Black Eyed Peas 和訳と紹介

The Black Eyed Peas メッセージ性の強い楽曲とMV。

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「俺たちは愛で出来てるんだよ。」

サウンドについて
胸を打つコード進行のラップ・ソング。Ⅰ-Ⅲのコード進行はとても強力ですよね。胸を締め付けられるような気持ちになります。楽曲やMVのメッセージを強めています。色々工夫はされていますが、サウンドについて語るべき曲ではないと思うので、このくらいに。みんなで声をあわせて歌える楽曲ですね。

歌詞について
今の時代に苦しむ人々、主に若者にフォーカスを与えているような気がします。私の口から軽々しく語れることはありません。
MVの初めと終わりに表示されるメッセージの和訳を掲載します。MVの終わりには https://biglove.com/ という彼らが製作したサイトへのリンクが紹介されています。
「注意。あなたが見ようとしている映像は、辛い映像です。しかしそれがこの映像の狙いです。見るのが辛くあるべきなのです。だけどそんな経験をして生きてくことを想像してください。子供たちに、今から見る映像のような経験をさせるべきじゃない。」
「彼らは両親から子供を奪い取った。だけど子供から銃を奪い取らない。声をあげるんだ。投票ができない人たちのために。私たちの生活のためのマーチ。家族は共に。」

それでは和訳をどうぞ。

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Dizzy Miss Lizzie – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles アルバム「Help!」を締めくくるロックンロール・ナンバー。

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「ミス・リジー。君は俺に目眩を感じさせるんだ。」

サウンドについて
ラリー・ウィリアムズのカヴァー楽曲です。…初めて聞いた時、Yesterdayの美しさに満足して、最高のアルバムだと浸っていた時に流れて来たから、ちょっと嫌いになっちゃったんですよね。楽曲自体はとてもかっこいいし、リフもめちゃくちゃイケてますよね。今になってみれば、最後を明るい楽曲で終わる気持ちもわかるんですけどね。
このアルバムまで、カヴァー楽曲を一切収録していない “A Hard Day’s Night” 以外の全てのアルバムで、最後の楽曲はロックンロールのカヴァーで終わっています。

歌詞について
目眩がするほどロックンロールな”Miss Lizzie“に虜になったロックンローラーの歌です。ミス・リジーの名前の由来は”Dizzy“「目眩がする」というフレーズでしょうね。Chorusの表現がかっこよくて好きです。

それでは和訳をどうぞ。

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Yesterday – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles ポールが夢の中で書いたメロディ。

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「それでも昨日を信じているんだ。」

サウンドについて
ポールは夢でこのメロディを耳にして、起きてすぐに録音。あまりに自然に出てきたので、初めはどこかで耳にした他人の曲なのではないかと疑ったそうです。ポールの心の底には、こんなメロディが流れていたのですね。自然に出て来たという言葉通り、一筆書きのように流れるメロディラインです。アコースティック・ギターとストリングスのアレンジもとても美しいですね。

歌詞について
Yesterday” は「昨日」という意味。全てのトラブルがなくなったように思えた瞬間や、彼女が去る前の日々に対する憧憬を歌っているのでしょう。恋人が去った歌のようにも取れますが、のちにポールは祖母がなくなったことを歌ったと語っています。とても切ない歌ですね。ポールが14歳の頃に亡くなったようです。自分がミュージシャンとして夢を叶えていく姿を見せられなくて、とても悲しい気持ちでしょう。

それでは和訳をどうぞ。

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I’ve Just Seen A Face – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles カントリー・フォーク調の楽曲なのに、切なすぎるバースのメロディ。

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「出会ったんだ。今夜、彼女の夢を見るだろう。」

サウンドについて
イントロのギターを重ねたフレーズがかっこいいです。そして続くバース。メロディが切な過ぎませんか…?ビートはずっとカントリーだし、サビは完全にカントリーだけど、このバースがあるだけで特別な楽曲に感じます。その後のギターソロも同じ切ないコード進行の上で弾いています。このギターもかっこいい。おそらくメロディはダウンピッキングだけで弾いていますね。口ずさまない部分でアップピッキングが少し入っています。

歌詞について
運命の人に出会った歌です。当時の邦題は「夢の人」。理想の人という表現だったり、夢で会うという表現から付けられた邦題でしょうね。Verseの切ないメロディが、遂に心から素敵だと思える人に出会えた喜びをうまく表現していますね。例えば、ロックンロールサウンドに乗せたら、全く違う印象になるでしょう。

それでは和訳をどうぞ。

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Tell Me What You See – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles シンプルなワン・メロディのラブソング。

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「さあ、両目を開いて。君の景色を教えてくれよ。」

サウンドについて
メロディは殆ど一つだけ。あとはタイトルのフレーズを挟むだけです。4行の中で少しずつメロディやコードを変えることで小さな起承転結を作っていますが、シンプルな楽曲です。タイトルの使い方が上手ですねー。タイトルのフレーズが目立つだけで、楽曲が覚えやすくなって、一気に印象がよくなりますよね。この楽曲の使い方でいえば、メロディをいじったり、ソロパートを入れることなく楽曲全体の起承転結を生み出すことができています。すごいセンスです。

歌詞について
ポールのラブソングは、ジョンのラブソングより甘くて聴きやすいですね。タイトルのフレーズ ”Tell Me What You See” がなんども登場します。「君の見ているものを教えて」という意味の言葉ですが、こんな口説き文句を直訳するのも野暮なので、「君の景色を教えて」と和訳しました。面白いのが、楽曲の終わり方。キメフレーズのメロディなのに、ハミングにしちゃうんですよね。どうして歌わなかったんでしょうか。

それでは和訳をどうぞ。

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You Like Me Too Much – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles ジャズ・ベースのポップス。

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「君は戻ってくるよ。君は俺が大好きだし、俺は君が好きだから。」

サウンドについて
The Beatlesはロックンロールやモータウンがルーツにあるバンドですが、このサウンドのルーツはジャズ系の音楽がある気がします。ロックのビートですが、ピアノのコード感、ボイシングやテンションノートの使い方がロックンロールの使い方ではありません。

面白いのが、この曲めちゃくちゃピアノ入ってます。ジョンがエレピを弾いていて、ポールとジョージ・マーティンがピアノを弾いているらしいです。綺麗な曲でも、攻めてますねー。

歌詞について
You Like Me Too Much“、「君は俺を好きすぎる」という曲名。久々に俺様ソングが来たかー!?と思いきや、俺様ソングじゃないですね。丸くなったんでしょうか。「喧嘩したって君はどうせ離れられないよ」ってところは俺様感ありますけれど、君は俺を好きすぎるし、俺は君が好きだからというところ、さらに後半は君がいなくなったら連れ戻す、自分が悪いと認めるとまで言っています。前半は強がりって感じでしょうか。

それでは和訳をどうぞ。

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