If I Needed Someone – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles シンコペーションを多用したジョージ・ハリスンのメロディ。

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「愛する人が必要だとしたら、君しか思いつかないんだ。」

サウンドについて
シンコペーションを多用、、というか、ほとんど裏拍にしか音がありませんね。初めのバースは一人で(ボーカルはダブルトラックですが)歌っていますが、その後のバースはコーラスがガッツリ重なっています。裏拍ばかりのメロディを、ここまでハモって歌うと、独特な感じになりますね。

歌詞について
If I Needed Someone“は「誰かが必要なら」という意味ですが、歌詞の中では “someone to love”と続きます。「愛するための誰か」、つまり誰かを愛したいなら、恋がしたいならという意味になります。そのあとのフレーズがかっこいいですね。

それでは和訳をどうぞ。

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Wait – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles メジャーとマイナーを行き来する、ジョンとポールの共作。

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「待っていてくれ。遅れないから。」

サウンドについて
共作と書きましたが、そもそもレノン=マッカートニー名義なんですけどね。パートごとにジョンとポールがそれぞれ作ったと言われています。リードボーカルもパートによって歌い分けています。マイナーキーの部分からメジャーキーに移る瞬間の拓けた感じが気持ちいい楽曲です。

歌詞について
家に残してきた恋人に対して “Wait” 待っていてくれ、と歌っています。”I’m coming back home”なので、まだ家についていませんね。グッとくるのはVerse2の歌詞。辛いのなら待たなくていいと歌う優しさに胸を掴まれます。実際、待たなくてもいいって言われると寂しさも少しありますけどね。

それでは和訳をどうぞ。

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In My Life – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 名曲中の名曲。ノスタルジーと今を見つめる。

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「過ぎ去った日々を、君を、愛してるんだ。」

サウンドについて
語る必要もないほど美しい楽曲ですよね。4小節1セットのメロディが連なってできています。1セットは前半はハモり、後半はジョンが一人で歌うという構成です。1バースも起承と転結で前半、後半に分かれています。こういう整い方も、シンプルに胸に響く理由になったりするんでしょうか。

シンプルな曲なんですけど、ドラムのフレーズもよく聞くと癖がありますよね。キーボードソロに関しては半分の速度で録音しているようです。シンプルに思えて、この時期のビートルズだからこその楽曲です。

歌詞について
In My Life“は「私の人生で」という意味。Verse1では過去の日々を、Verse2では今の日々を歌っています。変わるもの、変わらないもの。どちらにしても全てに思い出があって、思い出す人たちがいて、今でもみんなを愛している。涙が出るほど素晴らしい歌詞だと思います。

後半では、君が一番だと歌いながら、それでも過去の日々を大切に思っている様子が描かれています。過去の日々への愛情を失わないとわかっていても、時々立ち止まって振り返る。このフレーズから、深い愛情を感じ取れます。その直後に “In my life, I love you more” というフレーズがくるところが素晴らしい。過去と今に対する深い愛情に胸を打たれます。

それでは和訳をどうぞ。

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I’m Looking Through You – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 綺麗なイントロ、ハンドクラップ、鋭いリフ。

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「君は同じに見えるけれど、変わったんだ。」

サウンドについて
イントロのハーモニーがすごく素敵ですねー。楽曲自体はポールが書いたフォークソングそのままって感じですね。ボーカルを重ねどりしてますね。細かく刻むハンドクラップも印象的です。そしてバース終わりに演奏されるリフ!こんなにポップス的で、優しい楽曲でも、ロックンロール的なフレーズがハマっています。完成された楽曲を書くイメージがありますが、一番ロックなのはポールかもしれませんね。

歌詞について
I’m Looking Through You“の意味ですが、look throughで見抜くといった意味があります。透かして見えるようなニュアンスですかね。あくまで「見ている」ニュアンスを残すために「覗き込んでいる」という表現にしました。

浮気の歌でしょうか…?裏切られた後に、相手のことが違う人のように見えるといった歌詞です。Chorusの後半の歌詞は秀逸ですね。愛は急に冷めてしまう、悲しい性質があります。

それでは和訳をどうぞ。

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Girl – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 気だるい曲調。息継ぎ。中間部のコーラス。

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「誰か話を聞いてくれないか。あの女の子の話さ。」

サウンドについて
不思議な作風ですね。ジョン・レノンの気だるい楽曲の中でも初期の方の楽曲でしょうか。息を吸う音や、いつ息を吸っているのかわからないようなコーラスのフレーズが頭に残りますね。ガール、ガール、、というサビですら面白く思えます。印象的なフレーズに耳がいきがちですが、バースによってバッキングが異なっていたり、普通にちゃんと凝ってます。

歌詞について
Girl“の意味は言わずもがなですね。歌詞の内容は、、むずかしい、、。誰か話を聞いてくれないか、すごく魅力的な女の子なんだ、という歌い出しです。楽曲全体を通して何を言いたいのかはともかく、今の私たちにはVerse3が大切な気がします。「苦しみの先に喜びがある」「楽しむためには身を削らなくちゃいけない」そんな言葉を言いながら苦しんでいる人々を目にしながら、いつまで信じ続けるんでしょうか。

コーラス “トゥットゥッ…”のフレーズについて、 “tit tit tit ..”とふざけて言っているとか、言葉遊びだとか色々言われていますけれど、私は特に意味ないハミングなんじゃないかと思ってます。

それでは和訳をどうぞ。

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What Goes on – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles リンゴ・スターのデビュー作。軽快なポップソング。

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「俺に冷たくする時、君の胸の中はどうなっているんだ。」

サウンドについて
平坦なメロディ、歌が印象的ですね。サビのコード進行はロカビリーっぽさもあるけれど、平坦に歌っているから、不思議な感じもしますね。ギターの伴奏をアルペジオや裏メロが中心で、伴奏の音数が厚くないのも特徴的です。軽快な曲調がさらに軽い響きになります。

歌詞について
What Goes on“は「何が起きているの」という意味。君の胸の中では何が起きているの = 君は何を考えているの、どう思っているの、という意味です。嘘をついて関わってくるのに、自分のことを思ってくれていない相手へ向かって歌っています。

歌詞中に面白い表現があったので取り上げます。Verse3の後半、”You didn’t even think of me as someone with a name”というところです。as someone with a name、俺のことを「名前を持っている人」だと考えてすらくれなかった、という意味です。今の言葉でいうと「モブキャラ」って表現が近いです。この頃からそういう言い回しがあったんですね。

それでは和訳をどうぞ。

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Light Up the Sky – The Prodigy 和訳と紹介

The Prodigy ロックとテクノの融合。

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「俺たちが先導するダンスがやってくるぞ。」

サウンドについて
古いバンドなんですけど、新曲を出したので初紹介ですね。エレクトロの道具でエレクトロのお作法でやっていますが、リフがハードコアっぽいところがあったり、コード進行がロックっぽいところがあったりしますね。トレンドのど真ん中じゃないと思うけれど、スクリレックスとか好きな人は好きなんじゃないかなー。

歌詞について
歌でもラップでもないので、言葉に深い意味はありません。だからこそ曲を壊さず、むしろ曲を引き立てるような歌詞が必要ですね。この楽曲はフロアを湧かせて、躍らせるという歌詞になっています。「10000度の熱」というフレーズが楽曲のハードな部分に良くハマってますね。

それでは和訳をどうぞ。

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Michelle – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles シャンソンのようなメロディ。

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「ミッシェル、私の美しい人。とても似合う言葉だ。」

サウンドについて
おしゃれな楽曲ですね。ここまでいろんな音楽に手を出したロックバンドは他にいませんよね。コード進行も、アンサンブルも、メロディも、とてもしっかりした作りになっている楽曲です。”I love you, I love you, I love you” のところに一番の盛り上がりを持ってきたセンスも鋭いと思います。

歌詞について
シャンソンっぽい曲調に併せて、歌詞にはフランス語が使われています。イントロの英語の置き換えなので、シンプルでわかりやすいのも、The Beatlesの素敵なところですね。”ma belle”というフランス語は「私の美しい人」という意味らしいです。ヨーロッパの言葉らしいですね。

それでは和訳をどうぞ。

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The Word – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 「記憶に残るロックンロール」を目指した楽曲。

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「その言葉を言ってくれ。愛してるって。」

サウンドについて
癖の強いロックンロールですね。ワンコード系のロックンロールに、少しのキメフレーズとミドルエイトの展開を盛り込んだ楽曲です。ミドルエイトの部分がめちゃくちゃThe Beatlesっぽくてかっこいいですね。他のバンドは誰も書かないようなフレーズ。ポールがインタビューで「”Long Tall Sally” のような記憶に残る曲が書きたかった」と言っています。確実に革新的なロックンロールですよね。

歌詞について
初期の物語的、人物的な歌詞から、もっと抽象的な書き方に変化してきていますね。”The Word“は説明するまでもなく「その言葉」という意味です。ところどころ自然な形で意訳していますが、”Say the word, love” は「愛の言葉」を言ってくれじゃなくて “love” という言葉を言ってくれ、というニュアンスになります。loveは “愛” という名詞より “愛している” の動詞の方がしっくりきます。

それでは和訳をどうぞ。

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Think for Yourself – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles ポールの歪んだベースと、ジョンのコーラスが印象的な、ジョージの作品。

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「君自身のことを考えなよ。俺は一緒にいないだろうから。」

サウンドについて
イントロからずっと聞こえる不思議な歪み方をしたサウンドは、ファズをかましたベースだそうです。キーボードに歪み系のエフェクトかけてもこんな感じになるから、キーボードかと思ってたんですけど、ベースでした。ポール、やりたい放題ですね。メロディが下っていくところのコーラスの感じ、重ね方もモタつき方もジョン・レノン節って感じしますよね。だけどこの曲、書いたのはジョージなんです。ジョンもポールもやりたい放題ですね、、。

歌詞について
Think for Yourself” は、「君自身のことを考えな」という意味です。だけどアドバイスとかじゃなくて、別れるだろうから君自身の為に行動しなって感じです。当時の邦題は「嘘つき女」。そんな無骨なタイトル、、。

それでは和訳をどうぞ。

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