Girl – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 気だるい曲調。息継ぎ。中間部のコーラス。

rubber-soul

「誰か話を聞いてくれないか。あの女の子の話さ。」

サウンドについて
不思議な作風ですね。ジョン・レノンの気だるい楽曲の中でも初期の方の楽曲でしょうか。息を吸う音や、いつ息を吸っているのかわからないようなコーラスのフレーズが頭に残りますね。ガール、ガール、、というサビですら面白く思えます。印象的なフレーズに耳がいきがちですが、バースによってバッキングが異なっていたり、普通にちゃんと凝ってます。

歌詞について
Girl“の意味は言わずもがなですね。歌詞の内容は、、むずかしい、、。誰か話を聞いてくれないか、すごく魅力的な女の子なんだ、という歌い出しです。楽曲全体を通して何を言いたいのかはともかく、今の私たちにはVerse3が大切な気がします。「苦しみの先に喜びがある」「楽しむためには身を削らなくちゃいけない」そんな言葉を言いながら苦しんでいる人々を目にしながら、いつまで信じ続けるんでしょうか。

コーラス “トゥットゥッ…”のフレーズについて、 “tit tit tit ..”とふざけて言っているとか、言葉遊びだとか色々言われていますけれど、私は特に意味ないハミングなんじゃないかと思ってます。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

What Goes on – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles リンゴ・スターのデビュー作。軽快なポップソング。

rubber-soul

「俺に冷たくする時、君の胸の中はどうなっているんだ。」

サウンドについて
平坦なメロディ、歌が印象的ですね。サビのコード進行はロカビリーっぽさもあるけれど、平坦に歌っているから、不思議な感じもしますね。ギターの伴奏をアルペジオや裏メロが中心で、伴奏の音数が厚くないのも特徴的です。軽快な曲調がさらに軽い響きになります。

歌詞について
What Goes on“は「何が起きているの」という意味。君の胸の中では何が起きているの = 君は何を考えているの、どう思っているの、という意味です。嘘をついて関わってくるのに、自分のことを思ってくれていない相手へ向かって歌っています。

歌詞中に面白い表現があったので取り上げます。Verse3の後半、”You didn’t even think of me as someone with a name”というところです。as someone with a name、俺のことを「名前を持っている人」だと考えてすらくれなかった、という意味です。今の言葉でいうと「モブキャラ」って表現が近いです。この頃からそういう言い回しがあったんですね。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Michelle – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles シャンソンのようなメロディ。

rubber-soul

「ミッシェル、私の美しい人。とても似合う言葉だ。」

サウンドについて
おしゃれな楽曲ですね。ここまでいろんな音楽に手を出したロックバンドは他にいませんよね。コード進行も、アンサンブルも、メロディも、とてもしっかりした作りになっている楽曲です。”I love you, I love you, I love you” のところに一番の盛り上がりを持ってきたセンスも鋭いと思います。

歌詞について
シャンソンっぽい曲調に併せて、歌詞にはフランス語が使われています。イントロの英語の置き換えなので、シンプルでわかりやすいのも、The Beatlesの素敵なところですね。”ma belle”というフランス語は「私の美しい人」という意味らしいです。ヨーロッパの言葉らしいですね。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

The Word – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 「記憶に残るロックンロール」を目指した楽曲。

rubber-soul

「その言葉を言ってくれ。愛してるって。」

サウンドについて
癖の強いロックンロールですね。ワンコード系のロックンロールに、少しのキメフレーズとミドルエイトの展開を盛り込んだ楽曲です。ミドルエイトの部分がめちゃくちゃThe Beatlesっぽくてかっこいいですね。他のバンドは誰も書かないようなフレーズ。ポールがインタビューで「”Long Tall Sally” のような記憶に残る曲が書きたかった」と言っています。確実に革新的なロックンロールですよね。

歌詞について
初期の物語的、人物的な歌詞から、もっと抽象的な書き方に変化してきていますね。”The Word“は説明するまでもなく「その言葉」という意味です。ところどころ自然な形で意訳していますが、”Say the word, love” は「愛の言葉」を言ってくれじゃなくて “love” という言葉を言ってくれ、というニュアンスになります。loveは “愛” という名詞より “愛している” の動詞の方がしっくりきます。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Think for Yourself – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles ポールの歪んだベースと、ジョンのコーラスが印象的な、ジョージの作品。

rubber-soul

「君自身のことを考えなよ。俺は一緒にいないだろうから。」

サウンドについて
イントロからずっと聞こえる不思議な歪み方をしたサウンドは、ファズをかましたベースだそうです。キーボードに歪み系のエフェクトかけてもこんな感じになるから、キーボードかと思ってたんですけど、ベースでした。ポール、やりたい放題ですね。メロディが下っていくところのコーラスの感じ、重ね方もモタつき方もジョン・レノン節って感じしますよね。だけどこの曲、書いたのはジョージなんです。ジョンもポールもやりたい放題ですね、、。

歌詞について
Think for Yourself” は、「君自身のことを考えな」という意味です。だけどアドバイスとかじゃなくて、別れるだろうから君自身の為に行動しなって感じです。当時の邦題は「嘘つき女」。そんな無骨なタイトル、、。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Nowhere Man – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 何重にも重ねられたコーラストラック。

rubber-soul

「彼は”どこにもいない男”だ。俺たちに少し似ていないかい。」

サウンドについて
綺麗なメロディラインですねー。メロディだけで言えば、少しポールも作りそうな感じもしますよね。しかしサウンドアプローチは完全にジョン・レノンそのものです。印象的なのはコーラス。ジョン、ポール、ジョージの三人がダブルトラックでレコーディングしているそうです。たくさん重なるだけで、独特な厚い印象になりますね。

歌詞について
曲名から素敵ですね!”Nowhere Man“、「どこにもいない男」という意味です。自分のことも、他人のことも、周りのこともよくわかっていない。そんな人物を描いて、君や俺みたいだ、と歌っています。ジョン・レノンらしいですね。イントロとアウトロで同じフレーズを歌っています。人生ってそんなものかもしれませんね。

当時の邦題は “ひとりぼっちのあいつ” なんですが、このタイトルは好きじゃないですね…。孤独やニヒルな感じにミスリードしている感じが嫌いです。テーマはそこじゃないと思うんですよね。何ひとつハッキリとわからない私たちが、何の為にもならないことをしながら生きていくことを歌った歌だと思うんですよねー。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

You Won’t See Me – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 優しいメロディとポップなサウンド。

rubber-soul

「君が俺を見てくれないなら、もうやっていけないよ。」

サウンドについて
この曲大好きなんです〜。まずコード進行が好きなやつなんですけど、メロディラインがとても優しいですよね。どうして優しいって思うんだろう、コーラスもいい感じですね。あとこの曲、ドラムがおかしいのに気づきましたか?なんと、ハイハットだけ別で録音されているんです。だから人が叩いている感覚で聞いていると、手の数がおかしいことに気付くと思います。タム回しとか顕著ですよね、腕が4本あります。笑

歌詞について
You Won’t See Me“は「君が俺のそばにいない」くらいの捉え方でいいと思います。振られてしまった歌ですね。個人的にですが、この時期の作品は歌詞より音楽に好きがいってしまうので、あまり書くことがありません、、。いい曲だし、それが一番いいよね。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Norwegian Wood – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles シタールを初めて用いたポピュラー・ミュージックの歌詞は微かな狂気が漂う…?

rubber-soul

「この部屋は素敵でしょう。ノルウェーの森よ。」

サウンドについて
The Beatlesとシタールは馴染みが深く感じますね。ポピュラー・ミュージックにシタールが使われたのは初めてだと言われているとか。曲自体は緩やかなフォークソングです。すっかりジョン・レノンらしい作風が確立しています。明るいとも暗いともつかない、不思議な雰囲気です。バースのメロディが印象的で、ギターリフにも使われています。

歌詞について
女の子と遊ぼうとした話ですが、、。女の子が泊まるように言ってきたのに、風呂で眠ることになった腹いせか、曲の終わりでは家に火をつけています、、。”Norwegian Wood“は「ノルウェーの森」という意味で、女の子の部屋の様子を表現しています。曲の始まりに女の子の自慢の部屋を指して「ノルウェーの森は素敵じゃないか」と言ったのに対して、主人公が部屋を燃やして「ノルウェーの森は素敵じゃないか」と言って曲が終わります。こわっ。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Drive My Car – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles 中期の始まり。Rubber Soulの一曲目を飾る個性的なロックミュージック。

rubber-soul

「ベイビー、あなたを運転手にしてあげる。」

サウンドについて
The Beatlesはロックンロールをロックにした、なんて言われることもありますが、まさにこの時期のことだと思っています。確実にロックなんですけど、これまでの所謂ロックンロールとは全く違うサウンドなんですよね。ポップスでもないロックンロールの雰囲気、革新的なサウンドですよね。
Rubber Soulの一曲目です。相変わらず一曲目にふさわしいイントロを作りますね。The Beatlesは前期と後期で語られることが多いですが、Revolver、Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Bandと併せて中期と呼びたいサウンドの始まりです。

歌詞について
Drive My Car“、「私の車を運転していい」という意味で使われています。この楽曲、なんとほとんどの歌詞が女の子のセリフで構成されています。各バースの一行目だけ男目線、その直後に”She said …”ときて、女性目線の方がしっくりくる言葉がずっと続きます。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む

Dizzy Miss Lizzie – The Beatles 和訳と紹介

The Beatles アルバム「Help!」を締めくくるロックンロール・ナンバー。

help

「ミス・リジー。君は俺に目眩を感じさせるんだ。」

サウンドについて
ラリー・ウィリアムズのカヴァー楽曲です。…初めて聞いた時、Yesterdayの美しさに満足して、最高のアルバムだと浸っていた時に流れて来たから、ちょっと嫌いになっちゃったんですよね。楽曲自体はとてもかっこいいし、リフもめちゃくちゃイケてますよね。今になってみれば、最後を明るい楽曲で終わる気持ちもわかるんですけどね。
このアルバムまで、カヴァー楽曲を一切収録していない “A Hard Day’s Night” 以外の全てのアルバムで、最後の楽曲はロックンロールのカヴァーで終わっています。

歌詞について
目眩がするほどロックンロールな”Miss Lizzie“に虜になったロックンローラーの歌です。ミス・リジーの名前の由来は”Dizzy“「目眩がする」というフレーズでしょうね。Chorusの表現がかっこよくて好きです。

それでは和訳をどうぞ。

続きを読む