The Beatles 何重にも重ねられたコーラストラック。
「彼は”どこにもいない男”だ。俺たちに少し似ていないかい。」
サウンドについて
綺麗なメロディラインですねー。メロディだけで言えば、少しポールも作りそうな感じもしますよね。しかしサウンドアプローチは完全にジョン・レノンそのものです。印象的なのはコーラス。ジョン、ポール、ジョージの三人がダブルトラックでレコーディングしているそうです。たくさん重なるだけで、独特な厚い印象になりますね。
歌詞について
曲名から素敵ですね!”Nowhere Man“、「どこにもいない男」という意味です。自分のことも、他人のことも、周りのこともよくわかっていない。そんな人物を描いて、君や俺みたいだ、と歌っています。ジョン・レノンらしいですね。イントロとアウトロで同じフレーズを歌っています。人生ってそんなものかもしれませんね。
当時の邦題は “ひとりぼっちのあいつ” なんですが、このタイトルは好きじゃないですね…。孤独やニヒルな感じにミスリードしている感じが嫌いです。テーマはそこじゃないと思うんですよね。何ひとつハッキリとわからない私たちが、何の為にもならないことをしながら生きていくことを歌った歌だと思うんですよねー。
それでは和訳をどうぞ。
【歌詞和訳】
[Chorus 1]
彼は本当の「どこにもいない男」だ
彼の「どこにもない土地」に腰掛けている
「誰のためでもない」「どこにもない計画」を立てている
[Verse 1]
自分の考えを持っていない
どこに向かっているのかを知らない
君や俺に少しだけ似ていないかい?
[Chorus 2]
「どこにもいない男」 聞いてくれよ
君は何を失っているのか気づいていないんだ
「どこにもいない男」 世界は君の手の中にあるんだ
[Verse 2]
これ以上ないくらいに盲目的で
自分の見たいものだけを見ている
「どこにもいない男」 俺がしっかり見えているかい
[Chorus 2]
「どこにもいない男」 心配しないで
自分のペースで 急がないで
全部放っておきなよ 他の誰かが手を差し伸べてくれるまで
[Verse 3]
自分の考えを持っていない
どこに向かっているのかを知らない
君や俺に少しだけ似ていないかい?
[Chorus 2]
「どこにもいない男」 聞いてくれよ
君は何を失っているのか気づいていないんだ
「どこにもいない男」 世界は君の手の中にあるんだ
[Chorus 1]
彼は本当の「どこにもいない男」だ
彼の「どこにもない土地」に腰掛けている
「誰のためでもない」「どこにもない計画」を立てている
――Translated by BxM – 文学xミュージック