Lana Del Rey 重厚なサウンドの慈愛に満ちた楽曲
サウンドについて
バスドラム、ベース、シンセ…と重厚感のある低音が印象的なサウンドと、ファルセットが印象的なボーカルの対比が美しい。メロディ、コード進行もどこか切ないが、楽曲全体として、とても愛おしい気持ちが込められているように感じる。澄んだ水底に差し込む光を全身で浴びているような、スローモーション(まさにstolen moments) な世界を見させられる。ちょっとテクニカルなことを言うなら、Aメロ、Bメロなどとよく言うが、それでいくとこの曲にはメロが5つある。楽曲の壮大さを生み出す一因になっているのは間違いない。
歌詞について
曲名は「生への渇望」。「あなたと二人きり」「ボーイフレンドが帰ってきた」「こんなにも今夜を楽しんでいる」等々..幸せの理由のようなものを歌う一方で、自分の人生を投げ出さないことを強く歌っている歌っていると思う。5つのメロ、それぞれでカードをめくるように情景の変化を感じる。その全てが紡ぎ出す「生きること」へのイメージは、どんなに上手な言葉よりも、Lana Del Rey の心の中のイメージに近いだろう。「Like July forever」「There’s no more night」「Blue skies forever」などの現実を超えた表現もとても美しいし、なにより楽曲にあっている。和訳に関して補足、今回、 “keeps us alive” を「あなたと生きていたい」と訳した。直訳だと「私たちを生きたままにしてほしい」となるが、 「あなたと二人きり(We are all alone)」という歌詞中の言葉を踏まえると、私たち→ 「私とあなた」の 「あなた」 に言っているととれるからだ。
それでは和訳をどうぞ。