Let’s Groove – Earth, Wind & Fire 和訳と紹介

Earth, Wind & Fireは他のファンクバンドとは一線を画す。ループのベースリフに輝く圧倒的なメロディセンス。

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「グルーヴしよう。このグルーヴに任せて踊るんだ。」

サウンドについて
イントロの短調のフレーズをベースリフとして終始用いているのが印象的なこの曲。しかしイントロと他の楽器が入ってからとで雰囲気が変わることにお気づきだろうか。実はあの短いEmのフレーズの中にはメロディアスなコードが4つも詰まっている。ただのマイナーファンクで終わらせない感性が彼らの強い魅力となっている。ただ、ファンクよりディスコ色が強くなっていることは否めない。

歌詞について
歌詞はザ・ディスコソングといった感じだ。踊ろう、愛し合おうといった感じで気楽に聴くことができるが September のように美しい表現は特に見られない。彼らの素晴らしい歌詞が気になる方は是非Septemberの記事もチェックしてほしい。

それでは和訳をどうぞ。

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September – Earth, Wind & Fire 和訳と紹介

誰もが知っているEarth, Wind & Fire の名曲。夕暮れのような切ないサウンドのラブ・ダンスナンバー。

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「覚えているかな。僕らが愛し合ったSeptemberを。」

サウンドについて
ファンクミュージックだけでなく、音楽の歴史を語る際に Earth, Wind & Fire は外せない存在だ。演奏の質やノリだけでなく、卓越したメロディセンスと作詞スキル、そしてステージパフォーマンスは彼らを唯一無二の伝説のバンドにした。そんな彼らの曲の中で(恐らく)一番有名な曲が September だ。切ないリフ、コード進行とファルセットでまるで祈りのように歌われる Ba de ya というフレーズがとても印象的だ。

歌詞について
September の素晴らしさは歌詞にある。曲名は九月を意味するが、実は九月を思い出している十二月の歌である。 “Remember how the stars stole the night away” や “Do you remember, never a cloudy day” といった輝く空を用いた愛と時間の表現も美しい。時代の影響を受けているような大げさな表現が多く、煌びやかな言葉と切ないメロディが最高の雰囲気を生み出している。

それでは和訳をどうぞ。

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Hands To Myself – Selena Gomez 和訳と紹介

Selena Gomezの囁くようなボーカルと変化をつけたビートを強調した楽曲。

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「我慢できるけど、なんで我慢するの?」

サウンドについて
セレーナ・ゴメスの下着姿のジャケットからしてセクシーさをアピールしている楽曲。ベースやパーカッションの音は不必要な帯域をバッサリと切ったような音で、音数も少なくセレーナの声を邪魔しないように作られている。しかしセレーナの囁き声はセクシーというよりキュートだろう。それはそれでいいのだが。音を厚くして盛り上げるBメロを挟んで、サビでは音は薄くビートを強調する楽曲構成は最近のトレンド。サビはAメロよりビートが増えて軽快になっている。サビ後半、ベースとメロディのコード感がとても心地いい。

歌詞について
歌詞もセクシーだ。Gin や Make Love など、大人らしさを醸し出す言葉選びがされている。最後のサビの直前の歌詞が最高に色っぽい。色っぽいのだが、やはりセレーナが歌うとセクシーさよりキュートさを感じてしまう。それはそれでいいのだが。

それでは和訳をどうぞ。

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Here -Alessia Cara 和訳と紹介

ダークなサウンド・歌い方にAlessia Caraのキュートな声とアンチ・クラブの歌詞がハマる。起伏の少ないメロを活かすトラック。

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「友達と中身のある曲を聴いていたい。なんでクラブに来ちゃったんだろう。」

サウンドについて
Alessia Caraは正統派の女性シンガーソングライターだ。彼女がエイミー・ワインハウスなどに影響を受けたというとおり、オトナな感じの歌い回しをするが、声質はChvrchesのローレン・メイベリーのようにキュートだ。時折聴かせるその声のキュートさから感じるピュアさと強かさは、ポップスシンガーとして大きな可能性を感じさせる。 “Here” ではダラっとした調子で、短いフレーズを延々と繰り返すボーカルが見られる。それなのに退屈どころか逆に驚かされ続けるトラックの工夫も面白い。

歌詞について
非常にダークなサウンドのこの曲の歌詞はクラブミュージックを揶揄するものだ。友達に連れられてクラブに来たけど、知らない人と中身のない曲を聴いて騒ぐより、友達と中身のある曲を聴いて夢を語り合いたいと歌っている。近年、流行しているのはEDMやハウスなどクラブミュージックであり、そのキーワードは “大勢で盛り上がれる楽曲” だ。EDMなどがそこまで流行していない日本の流行曲も、そのキーワードは当てはまっている。あなたはどんな風に音楽を聴くのが好きだろうか。

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Overcomer – MANDISA 和訳と紹介

MANDISA、アメリカンアイドル・シーズン5で9位のパワフルな歌声。

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「神様があなたを見守っているわ。あなたは勝者なの。」

サウンドについて
アメリカで最も有名なヴォーカル・オーディション番組、アメリカン・アイドルをご存知だろうか。全米から応募者が集まる中、マンディーサはシーズン5のファイナリストに選ばれた。 “Overcomer” はそれから6年後にリリースされたアルバムのタイトルトラック。楽曲のキャッチーさからだろうか、未だに耳にすることもある隠れた名曲だ。軽快なテンポの4つ打ち、心地いい程度のハイトーンが目立つサビ、構成もまさにアメリカの王道ポップスといった曲だ。

歌詞について
マンディーサは敬虔なクリスチャンであり、歌詞もキリスト教色が強くなっている。クリスチャンポップとでも言うのだろうか。彼女はアメリカン・アイドルに出場していた頃から、発言にクリスチャンである要素が多く含まれていた。この曲の歌詞が好きな人はコンテンポラリー・ゴスペルなどもお勧めしたい。

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It’s All Your Body – José James 和訳と紹介

José James、HipHop+Jazzのクールで渋いサウンド。

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「愛し合おう。お前の身体中すべて。」

サウンドについて
「ポスト・ディアンジェロ」などと揶揄されたJosé Jamesだが、全くおかしな批判である。現代のミュージシャンがヒップホップのフィーリングを持っていることは世代的に当然だ。José JamesもD’angeloも若い頃にヒップホップに熱中していたミュージシャンの一人である。しかし共通点はそれだけであり、彼らの音楽の本質は全く異なる。José Jamesはジャズを受け継いでいる。

歌詞について
歌詞なのだが、正直なところ無理矢理に韻を踏もうとしている感じが否めない。特に主張もなければ、言葉を使って何かを表現しようとする気概も感じられなかった。彼は文章家としてはあまり優秀ではないようだ。しかし、響きは確実に楽曲と噛み合っている。やはり彼はミュージシャンとしては一流だ。

それでは和訳をどうぞ。

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Africa – D’angelo 和訳と紹介

D’angelo “Voodoo”のラストトラック。低音が薄く、キラキラと輝く綺麗なトラック。

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「成長していくお前から愛を貰ったんだ。」

サウンドについて
D’angeloの作品でも特に評価の高い “Voodoo” 。その名盤の最後を締めくくるのはこの曲だ。綺麗なシンバルとオルゴールのようなエレクトリック・ピアノから始まり、美しいコーラスのスキャット、逆再生の音まで効果的に組み込まれている。ドラムの音も高音が強く、カラッとした響きで楽曲の雰囲気に貢献している。「美しい」より「綺麗」の方が似合うサウンドだ。メロディと歌が素晴らしいのは言うまでもないだろう。

歌詞について
この曲の歌詞は D’angelo の曲としては珍しい。女性へのラブソングが多い彼だが、この曲は自分の子供に向けて歌っている。子供の誕生、成長といった出来事が彼に自分のルーツを再確認させ “Africa” という曲名が付けられたのだろう。だがこの曲は決してアフロ・アメリカンのことだけを歌っているのではない。遥か昔から人類が繋いできた命のバトンへの敬意が込められており、そこには人種など一切関係ない。

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Cinematic – Fedde Le Grand 和訳と紹介

オランダのDJ、Fedde Le GrandのバンドのようなサウンドのEDM

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「さあ行こう。君と出会えたのは必然で、すごく映画みたいだ。」

サウンドについて
オランダにはハードウェル、アフロジャック、ニッキー・ロメロなどを初めとする世界的に知名度が高いDJが多く存在する。Fedde Le Grandもオランダ出身のDJの一人だ。 “Cinematic” は彼が2015年に放った大ヒット作だ。EDMながらクリーン・ギターのブリッジミュート音から始まり、歌が入り、その次はドラムと続いていく構成はさながらポップ・ロックバンドのようだ。さすがFedde Le Grand、ポップロックの良さを完全に昇華したダンスミュージックを作り上げている。

歌詞について
この曲の歌詞は力強い。そして空や海のような壮大な青さを感じる。全てのセンテンスが力強く主張して、多くのメッセージを含んでいるのに、全体に一本芯が通っている。ど真ん中の主張はボヤケているが確実に胸の奥に忍び込んでくる、お手本のような詩だ。

それでは和訳をどうぞ。

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Miss Movin’ On – Fifth Harmony 和訳と紹介

Fifth Harmony、小刻みなビートとグッドメロディ。

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「私は前進し続ける女なの。」

サウンドについて
Fifth Harmony(5H)のアップな歌ものといえばこの曲だ。バスとスネアが二拍で入っているのでゆったりと聴こえるが、ハイハットは基本的にずっと細かく刻まれていて、さながらドラムンベースのようだ。サビの前半の細かい刻みが消えてる箇所が曲全体を引き締めるスパイスになっている。そのビートに乗っかる歌メロもよくできている。

歌詞について
5Hの歌詞は自立した女性像を描くものが多い。この曲の歌詞もその一つだ。挫折した傷つきやすい女の子が強く育っていく。そんな自分をミス・ムービンオン=前進し続ける女だと宣言して、もう二度と弱かったころには戻らない決意を歌っている。

それでは和訳をどうぞ。

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Sledgehammer – Fifth Harmony 和訳と紹介

Fifth Harmony、切ないメロの王道ポップス。

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「大きなハンマーみたいにあなたの胸を打つわ。」

サウンドについて
Fifth Harmony(5H)は彼女らのルックスを活かしたダークでセクシーな曲の印象も強いが、メーガン・トレイナーらがプロデュースしたこの曲 “Sledgehammer” は切ないメロと4つ打ちのビートの歌もの。構成やコード進行もアメリカポップスの王道だ。ライブの終盤で聴きたい一曲だ。

歌詞について
筆者がこの世で最も美しいと思うものの一つは、恋をしている時の心臓の鼓動の表現だ。胸の鼓動はハンマーで叩いたように大きく打ち、その鼓動が相手の鼓動も大きくする。そして相手の鼓動によって自分の鼓動も更に大きくなる。

それでは和訳をどうぞ。

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