Delicate – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift 5曲目 “Delicate” 水のように澄んだチル・サウンド

reputation

「冷たいかな。早すぎるかな。デリケートなのはわかってる。」

サウンドについて
ここまで強めのサウンドの楽曲が続いて、”Delicate” で一旦チルですね。リバーブが深くかかっていて、起伏も激しくなく、優しいサウンドです。だけど、ドラムでしっかりと展開を作っています。ブリッジの歌のリズムがすごく好きです。

次の曲が先行リリースされていた “Look What You Made Me Do” ということも考えると、絶妙なポジションに置かれた曲ですね。アルバムの中に入ってるこういう曲いいですよね。

歌詞について
サビでは “Is it .. ?” ≒ 「..かな?」という歌い出しから始まるフレーズが印象的です。冷たいかな?チルかな?冷たいかな?早すぎるかな? というサビの後、ラスサビでは重ねて “Isn’t it ” ≒「そうじゃないかな?」と連呼します。冷たくしちゃったかな、してないかな、、と不安なるのは、”Delicate” なことだってわかっているから。恋愛は繊細です。

それでは和訳をどうぞ。

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Don’t Blame Me – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift 4曲目 “Don’t Blame Me” は重低音サウンド + シンセサイザーが刻む8分の6拍子。

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「私を責めないで。愛が私をおかしくしたのよ。」

サウンドについて
ダークな雰囲気が多いアルバムだけど、”Don’t Blame Me” はサウンド全体として低音成分が強く感じます。スネアの高温成分が目立ちますね。重厚なコーラスが好きなので、サビはお気に入りです。ラスサビ直前の声だけのところも特に!

そして面白いのがずっと3連譜を刻んでいるシンセサイザー。この音がなければ、ただのゆったりしたビートになりそうだけど、楽曲のスパイスになっています。しかもバースとサビでは音量差によって効果が変わっています。Aメロでは6個ずつ数えた4つめの音にアクセントがついていて、ダークな雰囲気を壊さないギリギリのところで、ポップさを足しています。サビでは緩急がほとんどなく、細かいリズムを出すパーカッションに近い感じかな。

歌詞について
開き直り曲は “I Did Something Bad” ではなくて “Don’t Blame Me” でしたね。恋人をドラッグだと言っています。あなたの愛におかしくされているって。淡々と盲目的な様を描写し続けていますが、Taylor Swift自身は自分がそういう人だってわかっていて、それに自信を持っているんですね。盲目的なことは悪いことじゃないですしね。

一点補足、ポイズン・アイビーとデイジーについてです。これは二つとも植物の名前です。ポイズン・アイビーは触るとかぶれるそうです。一方デイジーは、俗語で第 1 級のもの、すてきなものという意味を持ちます。

それでは和訳をどうぞ。

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I Did Something Bad – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift 3曲目”I Did Something Bad”は アグレッシブな電子音が攻めまくる。

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「私が悪いことをしたって?ならどうしてこんなに気分がいいの?」

サウンドについて
“Reputation”より3曲目 “I Did Something Bad” 。バースは普通のダークな曲、静かな印象。サビでこれでもかってくらいにシンセサイザーが暴れまわる。銃撃音みたいなのも入ったり。ぶつ切りディレイの声も入っていたり。SKRILLEXのBangarangを連想するくらいグワングワンです。一番盛り上がったところでビートだけになって終わっていくのがかっこいいです。

歌詞について
言い寄ってくる信用できない男を弄んでいます。。。だけど”He had it comming” 彼がそうさせたんだから。”I Did Something Bad” ってタイトルだから「悪いことをしたわ」って強気に開き直るのかと思ったら、「悪いことをしたって言ってるの?嘘でしょ?」みたいな曲でびっくりしました。その通りです、Taylorさん。自分を傷つける人には強気でいきましょう。

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End Game – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift 2曲目のEnd Gameはヒップホップ。

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「あなたのゲームの最後の人になりたい。」

サウンドについて
構成もフックから始まって、バースが3つある、最近の売れているヒップホップっぽい感じですね。コードも8小節でループになっているのかな、7小節目にキーのコード(一番しっくりくるコード)を置く辺りもヒップホップしてますね。「ビッグ・レピュテーション!ビッグ・レピュテーション!」から始まるパートが後半に繰り返されるところで、テイラー・パートまでの焦らし、タメでテンションあがります。。笑

フィーチャリングはFutureEd Sheeran。トップバッターのFutureは4小節区切りの細かいバース。二番手はEd Sheeran。八分音符全部にアクセントを置いてスタートして、うまいけどまあ普通かなーと思っていたら、メロディ入ってからめちゃくちゃキレッキレですね!かっこええー。そしてTaylor Swift。Ed Sheeranを踏襲したようなメロディも歌いつつ、早口を交えつつつ、かっちりしたフロウでバチバチ決めてます。と思ったら終盤、リズムを少しもたらせて、黒人のラップっぽいフロウした。すげーーー。

歌詞について
End Game“とはゲームの終盤のことを指します。”Reputation” =「評判」に関してラップしてます。それぞれ個性が出ていて面白いです。

まずはFuture。Ed SheeranとTaylor Swiftは、”Reputation precedes me”(評判は私を追い越す)って言っているのに、Futureだけ “I got a reputation, girl, that don’t precede me”(評判は俺を追い越さない)って言ってます。「だってみんなそれが好きなんだろ?俺もそれが好きだよ、俺は君が好きだから」ですって。ラッパーっぽいなー、ワイルドでかっこいい。過大評価って和訳したけど、評価以外の評判も含まれていると思います。

Ed SheeranはTaylor Swiftを褒めてる雰囲気が出てますね。胸に秘めた4wordsはなんなんだろう(笑)。だけど言い回しが知的でかっこいいです。特にイギリス人っぽくていいのフレーズ、3行目のお酒を飲むくだりの “issues and chips” はイギリス料理で有名なつまみ “Fish and chips” のもじり。二人の間にも噂がたったことがあるから、それを issues(問題)って言っているんでしょうね。

Taylor Swiftも彼女らしいリリック。喧嘩のことだったり、自分の悪評だったり。「真実はここにある」っていう言葉がとても強いと思います。誰が何を言っていても、真実はテイラーのところにあるのは間違いないですよね。本人だもん。「手斧を捨てる」っていうのは喧嘩をやめるという意味のイディオムです。後に続く文章の為に直訳しました。

それでは和訳をどうぞ。

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22 – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift 22歳の若さ溢れるパーティソング

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「全部うまくいくわ。22歳みたいにダンスを踊り続ければ。」

サウンドについて
この辺から完璧なパーティソングをたくさん書くようになったんですかね。アコギのイントロから、四つ打ちのビートが入って来て、サビではパーティらしいエレクトロ・サウンド。1番で通常のサビの長さを提示しておいて、2番以降は ”It feels like one of those nights” のパートが入るのが、盛り上がりを感じて良いです。ブリッジでブレイクからフェードインしてくるところ好きです。

歌詞について
「なんだってあり!だって22歳だから!」めちゃくちゃ気持ちいいセリフですよね!冒頭に登場する「ヒップスター」は、オシャレに敏感な若者を表します。「幸せで 自由で 混乱していて 孤独で 惨めで 魔法みたい」 って、若い感じがしますよね。

それでは和訳をどうぞ。

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Call It What You Want – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift アダルトなR&B系ポップスのラブソング。静かに深い愛を歌う。

reputation

「救わなくていい。だけど一緒に逃げ出してくれる?」

サウンドについて
曲中ずっと流れる、神秘的なシンセサイザー。細やかな緩急をつけるハイハット、スネア中心のビート。ヒップホップ・R&B系やエレクトロ系のミュージシャンに多いサウンドです。単純に流行ってるけどね。だけどキレがいいと思います、スネアの挟み方とか、フィルイン周りが特に。だけど、もうなんでもできるミュージシャンなんだなあと。。2番のバース後半がお気に入りです。急にめちゃくちゃ言葉数増えて、歌詞もいいんだ。ブリッジでメロディアスな部分を出すあたり、さすがですね。

歌詞について
テイラーがツイートした箇所は、ブリッジのフレーズでした。赤字の部分は歌詞ではありませんでしたね。自分のことを本当に愛してくれている彼と一緒なら、王冠を奪われても大丈夫っていうことかな。タイトルの”Call it what you want” =「好きなように呼んでいい」っていうのは、彼にも言っているし、自分を攻めてくる人にも言っているように感じます。

私のお気に入りはブリッジです!ネックレスと書きましたが、厳密に訳すと「私の首回りのチェーンにあなたのイニシャルを付けたい」みたいな感じです。”チェーン” という言葉がポイントで、「束縛」「所有」みたいなイメージを連想させる言葉ですが、すぐに否定。イニシャルを身に付けたい理由は「彼が私を所有しているからじゃなくて、彼が私を本当に知っているから。」だそうです。この暗示 → 明示して否定 の流れも美しいし、「本当に知っているから」も素敵な言葉ですね。愛を感じます。

公開前速報
Taylor Swift が11月10日にリリース予定のアルバム “Reputation” から4曲目の新曲 “Call It What You Want” を公開することを仄めかすツイートをしました!せっかく祝日なので、最速で和訳してみようと思います。笑

現時点の情報はツイートのみ。歌詞と思わしきタイプされた文字の中に、手書きの赤字で “Call It What You Want” と書かれた画像と共に、”Call It What You Want. Midnight Eastern.” とのつぶやき。”Midnight Eastern” は東部標準時(ニューヨークの標準時) の深夜12時。今はサマータイムなので、日本時間だと13時に当たるのかな?ツイート画像の歌詞だけ先に和訳したので、チェックしてください!

それでは和訳をどうぞ。

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I Knew You Were Trouble – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift 軽快なギターカッティングのバース + EDM風のサビ

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「あなたが入り込んできたときから知っていた。あなたはトラブルだって。」

サウンドについて
MVはイントロの語り部分が長くて、2:00くらいから曲に入ります。語りの部分は重厚な感じだけど、イントロやバースはギターカッティングが軽快な雰囲気を作っている。サビはEDMっぽい。エレクトロの音色、16ビート、スクウェアの打ち込みビートや、間を広くあけたベース、ノイジーなボーカルエフェクトなどなど。

歌詞について
「馬鹿だったのは私」みたいなテイストを全体的に出しているけれど、「一度も言ったことのない場所へ連れて行ってくれた」とか、好きだった、それか今も好きなんだろうなって感じがするのがリアルでいいですね。好きになった人の、その魅力で傷つけられても、本当に嫌いにはなれませんよね。

それでは和訳をどうぞ。

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Treacherous – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift 切ない想いがバースとブリッジを行き来する。

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「このスロープは信用できない。このホープは信用できない。」

サウンドについて
イントロでフランジャーみたいな空間系のエフェクトが掛かったアコギが聞こえてきて、音色が面白いなーと思って聞いていたら、楽曲構成がぶっ飛んでました。コードの展開はなくて、メロディも起伏の少なめな感じ。アルバム “RED” って感じの楽曲ですね。だけど、楽曲構成がぶっ飛んでました。二度言ってしまいました。楽曲後半はコーラスとブリッジを行き来する構成になっています。唯一の展開部であるブリッジをこれ以上ないくらい上手に使ってますね。やっぱり “ミュージシャン” テイラー・スウィフトって感じです。

歌詞について
一番初めのバースがめちゃくちゃ美しいです。だけど、後半のインパクトが強すぎて、前半はフリのように思えてしまう感じもあります。後半のサビは “slope” が “hope” に変わっていて、初めて聞いたときドキッとしました。韻を踏んでいるから、一瞬違和感なく聞いてから、「え!?」ってびっくりする感じです。「安全じゃない道こそドライブする価値がある」かどうかはわかりませんが、信用できない危険な道でも、自分を騙してでも、進みたい道に出くわすことはありますよね。

それでは和訳をどうぞ。

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State Of Grace – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift ,REDの方向性はビートと音数とメロディ。

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「私たちは恋に落ちる。傷つくか、血を流すか、時間の中に薄れていくまでずっと。」

サウンドについて
テイラー・スウィフトが正真正銘のポップスターになったアルバム “RED” の始まりを飾る曲です。前作 “Speak Now” までと全く異なるサウンド・アプローチ。U2っぽくなったというか、見方によればオルタナっぽくなったというか。フロアタムで刻むどっしりとしたビートの上に、音圧で展開を作る感じです。これまではコードやメロディ、ビートで展開を作るのが彼女の特徴だと感じていたので、音圧、音数で展開を作るのは新機軸って感じです。終盤、こっそり歌が右側から聞こえてくるところ好きです。

歌詞について
歌詞もまた新機軸。アルバム全体ってわけじゃないけど、この曲に限っては「時間の流れ」がありません。これまでのほとんどの歌詞はストーリー性を帯びていて、一曲中に時間が進んでいくものが多いのですが、この曲は描写に深みを感じるというか、格言めいているというか、バラバラのパッセージを繋ぎ合わせて歌詞を作っているような感じです。敵なしのポップ・スターでも、少しずつ引き出しが増えているんですね。
お気に入りは “We fall in love till it hurts or bleeds, or fades in time” というフレーズ。テイラーの一貫しているテーマのひとつ「恋」から逃れられないということを、客観的で冷静な風に歌っています。こういう視点からの歌詞も新しいのかな?

それでは和訳をどうぞ。

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Long Live – Taylor Swift 和訳と紹介

Taylor Swift アルバム最終曲恒例?懐が深く、開けたサウンド。

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「讃えましょう。私たちが壊してきた壁を。」

サウンドについて
アルバム”Taylor Swift” の “Perfect Good  Heart” 、 “Fearless” の “Change” など、アルバムの最後の曲はいつもこんな雰囲気だ。映画のエンドロールのような、全てのシーンを思い出してしまうような。初めて聞くのに、懐かしさを覚えるような。

Aメロ、メロディはずっと同じだけど、サビの直前だけコードが変わってサビを期待させるような感じがとても良いです。あと終盤の盛り上げ方、ドラムがガツっと入って、エレキギターも入って、、一度落ち着いて二段階で盛り上げてきますね。私が好きなのは、最後の最後、エレキギターのオクターブ奏法で音階がドンドンあがって終わるところ。最後の曲で、バッチリ締まるんだけど、まだ道は続いている予感をさせます。続きはまたねって感じだ。

歌詞について
モメントとかタイムとか、瞬間や時間を意味する言葉が頻出している気がします。今、自分たちがスターになっていることはわかっていて、その座を渡すつもりもないけれど、いつの日か忘れられることも考えている。だけど、ネガティヴとかじゃなくて、瞬間瞬間を全力で生きていて、それが掛け替えのない最高の時間だって歌ってますね。スターでなくても、そんな気持ちで生きることができたら素敵ですね。

それでは和訳をどうぞ。

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